【次の一手|プロの実戦】問題01ー角換わりの中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲瀬川晶司五段 △牧野光則五段 第76期順位戦C級2組9回戦 より
【問題図:▽3六と まで】
角換わりの中盤戦で、いま後手が▽3六ととした局面です。問題図は後手のと金が手厚いため、先手苦戦の局面に見えます。しかし、ここでは先手に形勢を挽回する好手がありました。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲1八角 です。
【正解図:▲1八角 まで】
正解は▲1八角と打つ手です。これに対し、仮に▽4六とと逃げれば▲3三桂成(参考図1)で飛車と金の両取りが決まります。
【参考図1:▲3三桂成 まで】
4五にいた桂馬が移動することで、正解図で打った1八の角が遠く飛車に当たってきました。これは先手が優勢です。(正解図から▽3五とと引くのも同様です)
と金を移動すると▲3三桂成がありました。では、と金を移動せずに▽3五歩としてと金を守るとどうでしょうか。これに対しては▲7四歩と桂取りに突きだす手があります。(参考図2)
【参考図2:▲7四歩 まで】
図2の局面は、後手は依然としてと金を動かすことができません。(動かすと先述の▲3三桂成があります)
先手は▲7三の桂を取ることができれば、▲6五銀から6九にいる飛車を使って攻めることができます。▲1八角は後手のと金を足止めし、▲7四歩から先行する狙いの一手だったわけです。
実戦では▽8四飛と飛車を角筋から逸らしつつ、▽7四歩と突き出す手を受けました。ですが、これには当然▲3六角(図1)として、と金を取ることに成功しました。
【図1:▲3六角 まで】
図3の局面は強力だったと金を無条件で取ることができ、玉の堅さで勝っている先手が十分戦える局面だと思います。まさに "遠見の角に好手あり" の手筋でした。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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