大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題02ー横歩取りの終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲斎藤慎太郎七段 △横山泰明六段 第31期竜王戦3組ランキング戦 より

【問題図 ▽5四歩まで】

問題図は横歩取りの終盤戦です。局面は先手が勝勢に近いところまで来ています。

ここで、先手には勝ちを決定付ける実戦的な一手があります。

(正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▲6九玉です。

【正解図:▲6九玉 まで】

自玉を早逃げする▲6九玉が正解になります。攻めの手を考えていた方には少し意外な手だったでしょうか。

しかし、ただ早逃げしただけではなく、真の狙いは次に2九の馬を取る狙いです。問題図では、馬を取ると1八の飛車が玉に効いてしまうため取れませんでした。

角を手駒にすることができれば、後手玉は▲6二銀成からの詰みがあります。後手は本来であれば▽3八馬から2枚換えの順を選びたいところですが、角を渡すことができない後手は仕方なく2八馬(図1)と逃げました。

【図1:▽2八馬まで】

図1と問題図を比較してみてください。明らかに先手玉の安全度が増しましたことがわかります。自玉を安全にしてから、先手は攻めていき快勝しました。

以下の攻め方も非常に参考になるので、手順を載せておきます。

図1以下、▲5三桂▽7一玉▲6二銀成▽同玉▲6一金▽同銀▲同桂成▽7二玉▲5三馬(図2)

【図2:5三馬まで】

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もし良ければ、以下の問題にも続けてチャレンジしてみてください!