【次の一手|プロの実戦】問題18ー雁木の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲三浦弘行九段 △永瀬拓矢七段 第66期王座戦二次予選 より
【問題図:▲3三歩 まで】
当記事でも永瀬七段の棋譜から受けの極意を学びましょう。いま先手が▲3三歩と垂らしてきました。ここで後手には受けの好手順がありました。三手一組です。
(正解は以下にスクロールするとあります)
正解手順は、▽3四角▲4六歩▽3三桂です。
【正解図:▽3三桂 まで】
初手の▽3四角が受けの好手でした。
正解図以下▲3三桂成の場合、▽7八角成と進めるのが狙いです。(参考図1)
【参考図1:▽7八角成 まで】
先手はあと1押し、という感じですが、ここで有効な攻めがありません。
次に▽3三角と成桂を払われてはいけませんので、▲4三成桂と角取りにしながら逃げるのが自然ですが、そこで▽3四馬(参考図1-2)とされると、先手の攻めが切れ模様になってしまいます。
【参考図1-2:▽3四馬 まで】
参考図1-2以下は、
▲3二歩成は▽同飛とあっさり精算して後手良しです。
▲3二銀は▽2二玉とかわしておけば続きません。
▲2四飛で決まっているように見えますが、▽4三馬▲2三飛成▽3三馬と、攻めの拠点を綺麗にされてしまいます。
なので実戦は正解図から▲6七銀と、予め▽7八角成を受けましたが、そこで▽3二歩が好手です。(図1)
【図1:▽3二歩 まで】
3三の地点をガッチリと補強して、一気に後手陣が堅くなりました。
永瀬七段の見事な受けの手順だったと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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