大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題27ー角換わりの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲大石直嗣七段 △窪田義行七段 第76期順位戦B級2組11回戦 より

【問題図:▲3七角 まで】

先手が▲3七角としたところで、お互い桂交換が行われている局面です。ここで窪田七段の指した手がおもしろい手により、以降優勢を築くきっかけとしました。どんな手を指したのか、考えてみてください。

(正解は以下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▽5二桂です

【正解図:▽5二桂 まで】

問題図の局面は次に▲7六歩とされると角が捕られてしまうので、角を助ける手を考えなければいけない局面でした。そこで▽5二桂ですが、なかなかに見えにくい一手ですね。▽5二桂は▲7六歩に対して▽6四角と引けるようにした手です。仮に正解図以下、▲7六歩▽6四角▲同角▽同桂と進んだとします。(参考図1)

【参考図1:▽6四桂 まで】

参考図では逆に先手の▲5六にいる銀が捕られてしまう形になっています。この進行は後手が優勢です。

実戦は正解図より▲1四歩▽同歩▽1三歩▽8五歩▲1四香▽8六歩▲7六銀▽6四角(図1)と進みました。

【図1:▽6四角まで】

ここでも先手は▲同角とするのは▽同桂と進みマズいので、実戦は▲1五角と王手をしながら角交換を避けました。対して▽4一玉と進んで図2です。

【図2:▽4一玉 まで】

角交換を避けましたが、今度は2八にいる飛車捕りになっています。図2以下▲1八飛▽1七歩▲3八飛▽1九角成(図3)と進行します。

【図3:▽1九角成 まで】

最終手▽1九角成はただ角を成っただけではなく、6四にいた角が移動することで次の▽6四桂を狙いにしています。図3の局面は次の▽6四桂が厳しく、後手優勢の局面です。妙手▽5二桂をきっかけに、見事に窪田七段が優位を築きました。

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

 もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!