将棋上達を目指す人のためのブログ

20代になってから勉強を始めて、将棋倶楽部24で六段になった将棋指しが書く

【次の一手|プロの実戦】問題28ー中飛車の序盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲佐藤和俊六段 △畠山成幸八段 第26期 銀河戦 本戦Bブロック 7回戦 より

【問題図:▽4二銀 まで】

今回は当ブログ初の序盤からの出題です。

いま後手が▽4二銀と上がったところです。先手は7六の歩を取られ、後手の銀に▽7六まで進出されている格好です。ここから振り飛車らしい手順で序盤の優位を築く手順がありました。まずは最初の一手を考えてみたください。(読める方は五手先くらいまで読んでみてください。)

(正解は以下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▲7八飛です

【正解図:▲7八飛 まで】

まず初手は▲7八飛が正解です。▲7八金も自然に見えますが、▽8六歩とシンプルに伸ばされて振り飛車が不満な展開です。7六まで出ている銀を目標にして、捌きの手順を考えたいところです。

正解図以下、▽8七銀成▲7五飛▽5三銀▲7四歩と進みます。(図1)

【図1:▲7四歩 まで】

最終手▲7四歩は石田流の構えなどでよく見られる手筋です。仮に▽同歩なら▲同飛▽7三歩▲8四飛(参考図1)と進み、飛車交換に持ち込めるため自玉が安定している振り飛車が優勢となります。

【参考図1:▲8四飛 まで】

実戦は正解図より、▽6四銀▲7三歩成▽同桂▲7四飛(図2)と進みます。

【図2:▲7四飛 まで】

図2まで進み、先手には依然として▲8四飛と飛車交換を挑む狙いがあり、捌きやすい局面を築くことができました。一方で後手が勢いよく進出した8七の成銀は、まだ活用が見込めていません。

実戦は図2から▽5二飛▲5五歩▽7七歩▲4六歩▽4二金上▲7七桂▽7六歩▲8五桂(図3)と進みます。

【図3:▲8五桂 まで】

手数が長めに進んだので、各指し手のポイントを以下に整理します。

▽5二飛は銀取りの狙いなので、▲5五歩と1度受けます。

▽7七歩は▽7八歩成狙いですが、間接的に▲8四飛と回る手を受けた一手でもあります。仮に本譜の▲4六歩に代えて▽8四飛なら、▽7八歩成とする狙いです。先手の飛車が7筋にいる間は▽7八歩成とはできませんが、飛車の効きが逸れたら実現できます。

最終手▲8五桂は玉の型さを生かした一手で、桂損はしますが飛車を成りこんでしまおうという手です。対抗型で相手が居飛車穴熊ではない場合、玉の堅さで勝ることの多い振り飛車では、頻出の一手と言えるかもしれません。

そして途中の▲4六歩と突いている手が、細かいですが見逃せないところです。▽4二金上の交換は一見すると損得が微妙ですが、本譜の▲8五桂のように桂馬を捨てる順を決行する場合、将来的に後手の▽3五歩、▽2四桂、▽3六歩という攻めに備えなければいけません。事前に▲4六歩と突いていれば、▲4七銀引と受けることができるため受けやすいのです。

戦いの前にこのような細かな整備をしておくところはさすがプロであり、地味に見えるかもしれませんが、参考になる一手です。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!