大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題29ー矢倉の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲高橋道雄九段 △阿部健治郎七段 第31期竜王戦1組出場者決定戦 より

【問題図:▲4五銀 まで】

いま先手が▲4五銀と銀をぶつけた局面です。これを▽同銀としてしまうのは▲同桂で先手の攻めに勢いがついてしまいます。後手も反撃の攻めを考えたいところですが、どのように攻めるのが良いでしょうか。

(正解は以下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▽7七歩成です

【正解図:▽7七歩成 まで】

拠点の歩を成り捨てる▽7七歩成が正解となります。一見もったいないように見えますが、▲同銀に▽6五桂と(図1)跳ねていくのがスピードアップの手順です。

【図1:▽6五桂 まで】

図1以下、▲6六銀▽7七歩▲同桂▽6六角▲同歩▽7七桂成▲同金▽7六歩(図2)と進行します。

【図2:▽7六歩 まで】

手順途中の▽6六角がポイントです。7七の地点に効いている6六の銀を、角で食いちぎってしまい、7筋攻めを継続させます。

最終手▽7六歩が痛打です。これに対して▲7八金は▽7七桂と打ち込みます。▲5九玉なら▽6九銀が厳しく、また▲6八玉なら▽8九桂成(参考図1)と攻めが続きます。

【参考図1:▽8九桂成 まで】

実戦では図2より▲同金▽8七飛成▲9八角(図3)という苦心の受けで耐える展開となりました。図3の局面は先手の角2枚の働きが弱く、攻めの目標になりやすい展開であるため後手が優勢です。

【図3:▲9八角 まで】

手筋の歩の成り捨てから、見事な一連の手順だったと思います。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!