大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題45-四間飛車の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲高見泰地五段 △羽生善治竜王 第11回朝日杯将棋オープン戦本戦 より

【問題図:▲3九角 まで】

いま先手が▲3九角としたところです。ここで後手の次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▽2九成香です

【正解図:▽2九成香 まで】

後手は玉頭を攻められているため、▽7五桂など馬筋を止める手を考えたいのが自然です。ですが、正解は▽2九成香と玉頭攻めを無視して角取りにする手です。実戦は正解図より▲8四歩▽7二銀(図1)と進みましたが、先手の持ち駒には桂と歩しかなく(前に効く駒が無い)意外と厳しい攻めがありません。そうなると▽3九成香と角を取る手が間に合う展開になってきます。

【図1:▽7二銀 まで】

攻め駒不足の先手は、図1以下▲7六金として金を攻めの応援に送りましたが、当然▽3九成香と進みます(図2)

【図2:▽3九成香 まで】

図2で▽3九成香と取ったことで、4八の馬の紐が外れてしまいました。そのため先手は▲3九馬と馬を逃げなければいけませんが、そこで▽6六桂として玉頭に効いている馬筋を遮断します。(図3)

【図3:▽6六桂 まで】

問題図の局面で桂を打つのと、図3を比較してみてください。問題図でソッポにいた成香が図3では先手の角と交換になりました。それだけではなく、馬が2段目から逸れたことで1八の飛車の効きが通り、▽6六桂が非常に厳しい攻めの手にもなっています。

▽2九成香が中盤の決め手で、実戦も後手が快勝しました。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!