大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題66-角換わりの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲羽生善治竜王 △佐藤天彦名人 第76期名人戦七番勝負 第3局  より

【問題図:▽7五歩 まで】

いま後手が▽7五歩と、金取りに歩を打った局面です。先手はどう指すのが良いでしょうか。切り返しの好手順を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▲7四とです

【正解図:▲7四と まで】

問題図から▲7七金と逃げるのも普通ですが、▽7六銀と打たれておくと先手はしばらく一方的に守勢に回らなければなりません。後手玉にも嫌味をつける手順を考えたいところです。

正解手の▲7四とはと金をタダで捨てる手で、勿体ないように感じますが、以下▽同飛▲8五金▽7一飛▲2六桂が狙いの手順です。(図1)

【図1:▲2六桂 まで】

図1の最終手▲2六桂が狙いの一手で、後手の3四の銀をタダで取ることができる桂打ちです。次に銀を取った形が後手玉の逃げ道を塞いでおり、と金を捨てた見返りは十分にあります。狙われていた7六の金を逃げながら飛車取りに当てて先手を取ることで、この桂打ちを実現することができました。

 

ちなみに、問題図から▲7七金▽7六銀▲2六桂とするのも考えられそうな変化ですが、▲2六桂以下、▽7七銀成▲同玉▽7三銀という手順があります。(参考図1)

【参考図1:▽7三銀 まで】

最終手▽7三銀は、後手の3四の銀を飛車で守りながら、と金を取った一手です。このように3四の銀を守られてしまうと、先手から後手玉に迫る手が難しくなります。先述の手順で▲8五金▽7一飛として、後手の飛車を四段目からズラしておけば、後手は3四の銀を守ることができなくなります。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!