【次の一手|プロの実戦】問題70-中飛車の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲久保利明王将 △丸山忠久九段 第31期竜王戦1組出場者決定戦 より
【問題図:▽8二馬 まで】
いま後手が▽8二馬としたところです。局面は先手の駒得で、玉の堅さでも勝っている先手が優勢な局面です。まずは玉の小びんを狙っている馬の効きを防ぎたいところですが、どのように防ぐのが良いでしょうか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲7三歩です
【正解図:▲7三歩 まで】
正解は▲7三歩です。これは"焦点の歩"と呼ばれる将棋の手筋です。複数の駒の効きが重なっていたり、交差している場所に打つ歩のことで、相手駒の働きを弱める好手になりやすい手筋です。特に、今回のように大駒の効きが交差している場所に打つ手は、どちらか片方の効きを止めることができるため、非常に有効です。
例えば正解図以下、▽同飛取るのは馬の効きが消えるため、▲4五桂と桂を取ることができます。(参考図1)
【参考図1:▲4五桂 まで】
馬の効きが止まっていなければ▽4七歩成がありましたが、参考図1ではそれが無くなっているため、問題ありません。
また正解図以下、▽同馬と取る手には、▲8三歩成が好手です。(参考図2)
【参考図2:▲8三歩成 まで】
7三に馬が移動したことで、今度は4三にいた飛車の効きが止まっています。▲8三歩成を▽同飛と取ることができなくなっています。参考図2以下は▽同馬と取るしかありませんが、こちらも後手の馬筋を自玉から逸らすことに成功します。以下は自玉への脅威が無くなったため、▲5四飛と飛車を活用しておくくらいで先手が大優勢の局面でしょう。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!