【次の一手|プロの実戦】問題71-矢倉の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲豊島将之八段 △中村太地王座 五万石藤まつり第25回将棋まつり より
【問題図:▽6三銀 まで】
いま後手が▽6三銀とあがって、馬取りに銀を当てたところです。馬取りに対して先手はどう対応するのが良いでしょうか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲同馬です
【正解図:▲同馬 まで】
問題図では方針をどうするか悩みどころの局面です。正解手▲同馬に代えて▲2七馬と引き、陣形差を主張してじっくり戦う方針も考えらえるところです。問題図から▲2七馬の場合の進行例を示すと、▽5四歩▲3七馬▽2五角成という進行が予想されます。(参考図1)
【参考図1:▽2五角成 まで】
参考図1の局面は先手も悪くはありませんが、後手にも銀桂交換の駒得という主張点があります。後手陣をどう攻略するかが掴みづらく、互角に近い形勢だと思います。さらに優位を拡大できないか、他の変化も考えてみたいところです。
正解手の▲同馬は駒損をしますが、後手の金銀をバラバラにして、一気に攻略するのが狙いです。▲同馬以下は、▽同金▲2二銀▽3二飛▲3三銀成▽同飛▲4四金と進みます。(図1)
【図1:▲4四金 まで】
馬を切った後に▲2二銀と打つのが継続手です。図1まで進み、後手陣を一気に攻略することに成功しました。図1の最終手▲4四金が厳しく、▽3一飛は▲3二歩~▲3三歩があり、飛車を取ることができます。(飛車を逃げるのは▲3四金と銀を取ることができます)
自玉がしっかりと囲えていて堅陣な局面では、正解手順のような強襲が成立しないかを、まずは考えてみたいところです。図1の局面は先手の攻めが切れない上に、自玉も堅陣であるため、先手が優勢な局面です。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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