【次の一手|プロの実戦】問題75-三間飛車の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲佐々木 慎六段 △三枚堂達也六段 第31期竜王戦4組ランキング戦 より
【問題図:▲8六飛 まで】
いま先手が▲8六飛としたところです。次に▲9三桂成から飛車の成りこみを狙っています。中盤戦、後手は方針を決めて対応したいところです。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽8四歩です
【正解図:▽8四歩 まで】
問題図の局面は先手玉が堅さで勝り、後手は大駒の捌き合いになれば分が悪いため、先手の大駒の捌きを押さえる方針で考えたいところです。
正解手の▽8四歩は大駒の捌きを押さえる狙いで、以下▲同角▽8一香▲4八角▽8四歩として、先手の大駒の捌きを封じにかかります。(図1)
【図1:▽8四歩 まで】
図1以下、なんとか大駒の捌きを狙いたい先手は▲6六飛とします。次に▲5四歩▽同銀▲6四飛で飛車を捌いていく狙いです。
これに対しては▽7四龍が、捌きを封じるという方針を継続させる一手です。(図2)
【図2:▽7四龍 まで】
▽7四龍は先述の手順における▲6四飛を防いだ一手です。
後手は現時点で龍が出来ていることと、8五にいる桂が取れて駒得も見込めるところが主張点である局面です。唯一の心配事は、お互い大駒が成り込んで堅さを生かした攻め合いになるパターンです。
駒の損得よりも玉の堅さの価値が大きくなるのは、終盤が近づくことです。
駒の損得を重視したい後手としては、正解手順のように中盤をできるだけ長く引き伸ばすことで、優勢を築きやすくなるという考え方です。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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