将棋上達を目指す人のためのブログ

20代になってから勉強を始めて、将棋倶楽部24で六段になった将棋指しが書く

【次の一手|プロの実戦】問題80-角換わりの終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲永瀬拓矢七段 △西尾 明六段 第68期王将戦一次予選 より

 

【問題図:▲2四角 まで】

いま先手が▲2四角と出たところです。最終盤のきわどい局面ですが、後手はどう応じるのか正解でしょうか。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は6五銀です

【正解図:▽6五銀 まで】

問題図から▽同金と取る手が、次に▽2六角を狙って攻め合い勝ち、と読んだ方も多かったかもしれません。ただ問題図から▽同金の場合、以下▲3三角▽4一玉▲2一龍▽3一銀▲2四角成という手順で、先手勝ち筋です。(参考図1)

【参考図1:▲2四角成 まで】

参考図1から▽2六角には▲4八金と寄る手が効き、先手玉は詰みません。手順中▲2一龍として後手に▽3一銀と合い駒をさせるのが急所です。(▲2一龍を入れない場合、▲4八金には▽5八銀で詰んでしまいます。)

 

そのため、▽同金と一直線に攻め合えない後手は「自玉が詰まされるまでの手数を延ばす」という発想で、指す手を考えなければいけません。そこで真っ先に思い浮かぶのが「玉の早逃げ八手の得あり」という格言ですが、▽5一玉と格言通りに早逃げするのは▲5三歩が激痛です。(参考図2)

【参考図2:▲5三歩 まで】

5筋の歩が切れていなければ正解手でしたが、ここでは残念ながら不正解です。

 

正解は▽6五銀と桂を取る手で、5三への玉の退路を作った一手です。

【正解図(再掲):▽6五銀 まで】

正解図以下、▲3三角成▽5三玉と進んだ局面を問題図と比較すると、後手玉が詰まされるまでの手数を稼げていることがわかります。(図1)

【図1:▽5三玉 まで】

玉は上部にいくほど寄せにくい形になります。終盤に自玉が詰まされるまでの手数を稼ぐ必要がある時は、上部に逃げだす方針で手を考えると良いと思います。

 

ちなみに正解図では、後手の▽5三玉を防いで▲3一角と打てば難解だったかもしれません。以下▽5一玉▲3三角成▽6二玉▲3二龍(参考図3)という手順は、後手玉を逃がしているように見えますが、次に▲5二龍からの詰めろになっています。

【参考図3:▲3二龍 まで】

「王手は追う手」と言われますが、この場合は有力な手順だったかもしれません。格言は正確な読みとセットで用いる必要があることがよくわかる将棋でした。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!