【次の一手|プロの実戦】問題81-四間飛車の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲鈴木大介九段 △船江恒平六段 第44期棋王戦予選 より
【問題図:▲6七同玉 まで】
いま先手が▲6七同玉としたところです。ここで寄せの決め手がありました。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽6五桂です
【正解図:▽6五桂 まで】
▽6五桂が寄せの決め手でした。▲同歩には▽6六歩(参考図1)があります。
【参考図1:▽6六歩 まで】
参考図1以下、▲同銀は▽7六金があります。また、▲7八玉は▽6七金▲8七玉▽7七金▲同玉▽7六銀▲8八玉▽6七歩成が一例の攻めです。(参考図2)
【参考図2:▽6七歩成 まで】
参考図2のように、先手玉を下段に落とすことができさえすれば成功です。
そのため、実戦は正解図から▲7六歩と打ち、玉を上部へ逃げだそうと試みます。以下、▽7七桂成▲同玉▽6八銀(図1)と進みます。
【図1:▽6八銀 まで】
図1では後手の馬の行き場所が無いように見えますが、最終手▽6八銀が好手です。▲同玉とするのは▽7六馬が厳しい手になります。(▽7七金、▽6七金、▽4九馬などの複数の具体的な狙いがある)そのため、図1以下は▲8七玉としますが、▽6六馬と取られそうだった馬が生還しました。
図1以下は▲8七玉▽6六馬▲9六玉▽8四歩▲9一龍▽7六馬▲8九香▽7七銀不成▲9三龍▽9四歩と進みます。(図2)
【図2:▽9四歩 まで】
先手は上部へ逃げだそうとしますが、図2の最終手▽9四歩と打たれた局面は、次に▽9五金と▽8六金の2つの詰めろがかかっています。これらを両方受ける手として▲8四龍とした場合は、▽9五金▲同龍▽同歩▲同玉▽9四飛で詰みです。
実戦ではここで適切な受けが無いと判断され、▽9四歩で投了となりました。
「玉は下段に落とせ」の格言を実現させる具体的な手として、▽6五桂や▽6八銀など、駒を捨てて玉を下段に落としていく手筋が出てきました。参考になる手筋ではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!