大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題83-三間飛車の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲藤井 猛九段 △久保利明王将 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント より

 

【問題図:▲3九金 まで】

いま先手が▲3九金と引いて龍に当てたところです。後手は一気に寄せる手を考えたいところです。次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▽5七銀です

【正解図:▽5七銀 まで】

先手は次に▲5一金と取った手が▲4一角成からの詰めろになります。そのため、ここで龍を逃げるような手では▲5一金と詰めろをかけられ、先手が勝ち筋です。

▽5七銀と打っていくのが正解で、以下は▲同銀▽同桂成▲同飛▽3六桂が狙いの手順です。(図1)

【図1:▽3六桂 まで】

5七の地点で駒を精算し、先手の飛車を4段目からズラしてから▽3六桂を打つのが狙いでした。桂を捨てて3七に空間を作り、▽3七銀と打っていく狙いです。先手に銀と桂を渡す手順ですが、後手玉は銀と桂を渡しても詰めろはかからないため、踏み込んでいくことができます。図1以下、▲同歩▽3七銀▲5八玉▽3九龍と進みます。(図2)

          

【図2:▽3九龍 まで】

図2の最終手▽3九龍と取った手が、次に▽6六桂や▽4八龍からの詰めろになっています。例えば図2以下、▲5一金と後手玉に詰めろをかけるのは、▽6六桂▲6七玉▽6九龍▲7七玉▽7八桂成以下の詰みです。(参考図1)

【参考図1:▽7八桂成 まで】

実戦は図2以下、▲5一金ではなく▲5四飛と走りましたが、これも詰めろ解除の手にはなっておらず、▽4八龍以下の即詰みに打ち取りました。(図3)

【図3:▽4八龍 まで】

図3以下、▲6七玉▽7五桂▲6六玉▽6七金▲7六玉▽7八龍▲8五玉▽8七龍が実戦の進行で、▽8七龍にて投了となりました。(図4)

【図4:▽8七龍 まで】

図4以下、▲8六歩に▽9四金までの詰みです。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!