【次の一手|プロの実戦】問題89-の相掛かりの序盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲菅井竜也王位 △増田康宏五段 第26期 銀河戦 本戦Fブロック 9回戦 より
【問題図:▽7四飛 まで】
先手の▲6六角に対して、▽7四飛と逃げたところです。ここで先手には序盤戦をリードする軽手がありました。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲8三歩です
【正解図:▲8三歩 まで】
▲8三歩が▲6六角からの継続手です。飛車を8筋からずらし、▲8二歩成を狙った手順です。
▲8二歩成を防ぐ部分的な受けとしては▽7一金と受けるしかありませんが、それに対しては▲3六飛と指します。(参考図1)
【参考図1:▲3六飛 まで】
参考図1から▽3五歩は▲同飛▽3四歩▲8五飛と飛車をダイナミックに転換して、次の▲8二歩成を見せて先手が優勢です。(参考図2)
【参考図2:▲8五飛 まで】
また参考図1から▽5四角と打つ手には、▲4六飛と戻っておきます。(参考図3)
【参考図3:▲4六飛 まで】
4段目に角を打ったため、後手の7四の飛車の横効きがとまりました。次に▲3四歩と桂頭を攻めていく手が生じています。参考図3以下で飛車の横効きを通す▽7六角には、▲7五歩▽8四飛▲3四歩▽同飛▲3三角成▽同銀▲7六飛が一例の進行です。(参考図4)
【参考図4:▲7六飛 まで】
▲3三角成から角を素抜く手順があり、先手が桂得になりました。参考図4は後手の▽7一金が壁型になっており、陣形差も含めて先手優勢の局面です。
実戦では正解図から▽同銀としましたが、▲8二歩と打っていきます。(図1)
【図1:8二歩 まで】
図1以下は▽9三桂▲8一歩成▽8四銀▲9一と と進みました。先手が駒得をすることに成功し、序盤戦をリードしました。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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