【次の一手|プロの実戦】問題90-矢倉の序盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲日浦市郎八段 △伊藤沙恵女流二段 第90期ヒューリック杯棋聖戦一次予選 より
【問題図:▽2三銀 まで】
いま後手が▽2三銀と上がったところです。先手にとってここはチャンスの局面で、後手陣の隙をついた好手順があります。5手先まで読んでください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解手順は▲同飛成▽同金▲8三銀▽同飛▲6一角です
【正解図:▲6一角 まで】
問題図から▲同飛成とするのが、後手陣の隙をついた強襲です。▽同金に対して先に▲8三銀と打ち捨ててから▲6一角と打つのが好手順です。
▲8三銀と打たずに単に▲6一角と打つのはどうでしょうか。それには▽5二角と受ける手があります。以下一例の手順として、▲8三銀▽6一角▲8二銀成▽2六飛が予想される進行です。(参考図1)
【参考図1:▽2六飛 まで】
参考図1の局面は、先手の▲8二成銀の活用がまだ見込めていません。最終手▽2六飛以下▲3九金には、▽2八歩という確実な攻めがあり、後手も十分戦える局面だと思います。
そのため、実戦の▲8三銀▽同飛を決めてから▲6一角という手順のほうが勝ります。
【正解図:▲6一角 まで(再掲)】
正解図以下は ▽8二飛▲4三角成と進みました。次は▲4二金の一手詰ですし、詰めろを受けられても▲2一馬と桂を取る手があり、先手優勢の局面になりました。(図1)
【図1:▲4三角成 まで】
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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