【次の一手|プロの実戦】問題91-横歩取りの中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲富岡英作八段 △長岡裕也五段 第90期ヒューリック杯棋聖戦一次予選 より
【問題図:▲6七金 まで】
▲6七金と角取りに金を上がったところです。後手は攻めを継続していきたいところですが、どう指しますか。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽7七角成です
【正解図:▽7七角成 まで】
問題図から▽4四角と逃げるのは、▲7六金と攻めの拠点の歩を払われてしまいます。後手は駒損をしており、ゆっくりしていると先手の駒得が生きやすい展開になるため、手番を生かして一気に攻めていきたいところです。
同じ攻めていくにしても、正解手の▲7七角成に代えて7七歩成とするのは、▲6六金と角を取られた手が飛車取りになってしまい、失敗します。(参考図1)
【参考図1:▲6六金 まで】
そのため▽7七角成と角で行くのが正解です。
正解図以下は、▲同桂▽同歩成▲7六歩▽6七と▲同銀▽7七桂成 と進みます。(図1)
【図1:▽7七桂成 まで】
図1以下▲7五歩と飛車を取るのは、▽6七成桂▲6八金▽6六桂が厳しい攻めになります。(参考図2)
【参考図2:▽6六桂 まで】
実戦は図1から▲5八玉と玉を早逃げしましたが、以下▽2五飛が味の良い一手です。(図2)
【図2:▽2五飛 まで】
▽7七成桂と▽2五飛の力で、先手玉を左右両側から攻めていくことができます。このように相手玉を包み込むように攻めていくのは理想的な攻めです。
図2は後手玉が全くの手付かずであり、先手玉に対する攻めが切れる心配がないため、後手が大優勢の局面だと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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