【次の一手|プロの実戦】問題93-角換わりの終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲羽生善治竜王 △豊島将之八段 第59期王位戦挑戦者決定戦 より
【問題図:▲7七歩 まで】
いま先手が▲7七歩と打ったところです。後手の攻めの継続手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽7九角です
【正解図:▽7九角 まで】
▽7九角と打つのが鋭い寄せです。これに対して▲同玉と取るのは、▽7七飛成▲7八歩▽6六桂が厳しい手順です。(参考図1)
【参考図1:▽6六桂 まで】
参考図1から▲7七歩と龍を取る手は、▽7八金までの詰みです。受けるなら▲同飛と桂を取るくらいですが、▽同龍となった局面は後手が勝勢です。また途中の▲7八歩に代えて▲6九玉と早逃げするのも、同様に▽6六桂が厳しい攻めになります。
実戦は正解図から角を取らずに▲7八玉と逃げました。対して後手は▽6六桂と打っていきます。(図1)
【図1:▽6六桂 まで】
図1以下、▲6七玉▽7四飛▲同飛▽5八桂成▲同玉▽6八金▲4八玉▽3六歩と進みます(図2)
【図2:▽3六歩 まで】
手順途中の▽7四飛と銀を取る手が好手でした。▽7四飛以下▲6二飛成と金を取るのは▽7八銀▲6六玉▽7五金で先手玉が詰んでしまいます。(参考図2)
【参考図2:▽7五金 まで】
問題図ではやや攻めが細い感がありましたが、図2の局面まで進み、後手は攻め駒を増やしながら攻めることができました。図2の局面以下、先手が20手ほど粘りましたが、その後も攻勢を取り攻め続けた後手が勝利しています。正解手▽7九角からの見事な寄せだったと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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