【次の一手|プロの実戦】問題94-中飛車の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲宮本広志五段 △東 和男八段 第31期竜王戦6組昇級者決定戦 より
【問題図:▽6八銀 まで】
いま後手が▽6八銀と打ち、飛車を取りにきました。先手は飛車を取らせる代償を求めたいところです。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲6七金です
【正解図:▲6七金 まで】
▽6八銀と打たれた問題図の局面は、先手の飛車の行き場所が無いため、飛車を助けることはできません。先手も飛車を取らせるかわりに何か代償を求めたいところでした。
正解は▲6七金と角取りに金を寄る手です。これは飛車を取らせる代わりに、後手の角を取りに行った一手です。例えば正解図から▽4六角成などとして角を逃げてしまうのは、▲6八金と打ったばかりの銀をタダで取られてしまいます。(参考図1)
【参考図1:▲6八金 まで】
これは後手の駒損が大きく、先手が勝勢です。
そのため、正解図から▽6九銀成と飛車を取るしかありませんが、先手も▲5七金と角を取り返します。(図1)
【図1:▲5七金 まで】
一連の手順で飛車と角の交換になりました。先手が依然駒得であり、陣形差でも上回っているため、先手が優勢な局面だと思います。
また、この手順で先手は使えていなかった▲7七金を、自玉の守りに近い場所(▲5七金)まで移動させることができました。このように、ただ相手の駒を取るだけでなく、守りを固めることもできる一手は一手以上の価値があります。中盤以降は一手で一手以上の価値がある手が発生しやすくなるので、狙っていきたいところです。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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