【次の一手|プロの実戦】問題100-相掛かりの中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲梶浦宏孝四段 △千田翔太六段 第44期棋王戦予選 より
【問題図:▽7七歩 まで】
先手の▲7三歩成に対して、いま後手が▽7七歩と打ってきたところです。ここで先手には中盤でリードすることができる一手があります。先手の次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲6七金です
【正解図:▲6七金 まで】
問題図から▲同桂▽同桂成▲同銀▽同銀成▲同金と精算してしまうのは、以下▽7三金と手を戻されます。この手順は活用が怪しかった後手の▽8五桂、▽7六銀を捌かせてしまうので、後手も不満がない展開と言えるでしょう。
正解は▲6七金と強くあがる手です。以下▽同銀不成▲同角となった局面は、7二の金と8五の桂の両取りがかかっています。(図1)
【図1:▲6七同角 まで】
図1から▽7八歩成▲同角▽7三金と進めると、一見両取りが受かったように見えますが、そこで▲7五銀と打つと後手の飛車が詰んでいます。(参考図1)
【参考図1:▲7五銀 まで】
後手は飛車に弱い陣形です。飛車が取れる参考図1は先手が大優勢の展開です。
実戦は図1から▽6六飛と進みました。(図2)
【図2:▽6六飛 まで】
図2以下▲7二とや▲8五角には、いずれも▽7八歩成が狙いの反撃です。
実戦も図2以下▲7二と▽7八歩成と進みました。そこで▲6八歩が冷静な受けです。(図3)
【図3:▲6八歩 まで】
図3の局面は先手の銀得です。後手は駒損を解消したいところですが、▽8八とには▲8五角と桂を取られてしまうので、駒損を簡単に解消することができません。図3以下は先手が駒得を生かし、中盤戦を優位に進めることができました。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!