大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題101-中飛車の序盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲里見香奈女流四冠 △村田智弘六段 第90期ヒューリック杯棋聖戦一次予選 より

                                                

【問題図:▽4三金 まで】

いま後手が▽4三金とあがったところです。ゴキゲン中飛車の何気ない序盤戦に見えますが、ここで先手に機敏な一手がありました。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                

正解は▲6五銀です

【正解図:▲6五銀 まで】

▲6五銀と出るのが機敏な一手でした。正解図以下▽同銀と取るのは、▲2二角成▽同玉▲5五角と進み、王手飛車がかかってゲームセットです。(参考図1)

【参考図1:▲5五角 まで】

実戦は正解図以下、▽7七角成▲同桂▽6五銀▲同桂▽6四銀▲5四歩▽5二歩▲4四銀と進みます。(図1)

【図1:▲4四銀 まで】

図1の最終手▲4四銀が狙いの一手で、▽同金に▲7一角で飛車と金取りの両取りを狙います。実戦もそう進み、図1以下▽同金▲7一角▽8六飛▲4四角成▽3三銀打▲7七馬▽8九飛成▲6六歩と進みます。(図2)

【図2:▲6六歩 まで】

図2の最終手▲6六歩としてじっと桂を支えた局面は、先手の自陣に引き付けた馬の働きが強力で、若干先手有利な局面ではないかと思います。先手は玉型がしっかりしていますし、次に▲6八金と飛車をぶつける狙いもあって楽しみが多い局面だと思います。後手陣の隙をついた▲6五銀が機敏な一手でした。

 


 

本局ではもう一つ、参考になった手順がありましたので、紹介させていただきます。

【問題図2:▽8五龍 まで】

前問から数手進んだ局面で、いま後手が▽8五龍としたところです。ここで先手にうまい手順があります。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▲5三桂成です

【正解図2:▲5三桂成 まで】

▲5三桂成が狙いの一手でした。タダで捨てたように見えますが、正解図2以下、▽同歩に▲6五歩が狙いの手順です。(図3)

【図3:▲6五歩 まで】

▲6五歩とついた手が6四の銀と4四の銀の両取りになっています。▽同龍として6八の金に狙いをつけながら切り返したいところですが、それには▲4四馬と取る手が詰めろになるため効きません。(▲2二金まで)

そのため、実戦は図3から▽5五銀右と逃げましたが、以下▲同飛▽同銀▲同馬と進み、先手が大優勢となりました。(図4)

【図4:▲5五同馬 まで】

図は先手陣の美濃囲いがそのまま残って鉄壁なのに対し、後手には受けに適した駒がないため粘りが効かない格好です。図4以下は序中盤の優位を活かして里見女流四冠が快勝しています。後手陣の一瞬の隙をついた見事な序中盤の指し回しだったと思います。後手陣の一瞬の隙をついた見事な序中盤の指し回しだったと思います。

 

里見香奈女流四冠は次戦が藤井聡太七段との対局になるため、大注目のカードになりそうですね。

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いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!

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