【次の一手|プロの実戦】問題103-雁木の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲森内俊之九段 △糸谷哲郎八段 第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント より
【問題図:▲6五同銀 まで】
後手の▽6五桂に対して、いま先手が▲6五同銀と取ったところです。後手は先手玉をどう寄せますか。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽4七桂成です
【正解図:▽4七桂成 まで】
▽4七桂成が寄せの決め手です。これは直前の先手の着手▲6五同銀で、4七の地点の守りが薄くなったところをついての攻めです。先手はこれを▲同玉と取るしかありません。
正解図以下、▲同玉▽4九龍▲3六玉▽3四銀と進みます。(図1)
【図1:▽3四銀 まで】
図1の最終手▽3四銀が、先手玉を上部から押さえる好手です。ついつい▽3五銀から飛車を取りにいってしまいそうですが、それは先手玉を上部に逃がしてしまうため失敗します。
図1は次に▽3五金以下の詰みを狙っています。実戦は図1以下▲2六玉と早逃げしますが、そこで▽1四歩が玉の逃げ道を塞ぐ手筋です。(図2)
【図2:▽1四歩 まで】
先手玉はなんとか上部に逃げだしたいところ、後手は上手く上から押さえつけています。図2以下は▲3六桂と打ちましたが、▽3五金▲1六玉▽6五銀と質駒の銀を取ります。(図3)
【図3:▽6五銀 まで】
問題図でぶつかっていた銀を、最後に取る手が決め手です。図3の局面は次に▽1五銀と▽2五銀打の狙いがわかっていても防ぐことができず、受け無しです。
正解手の▽4七桂成以下、先手玉を上部から押さえつける見事な手順だったと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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