【次の一手|プロの実戦】問題104-角換わりの終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲三浦弘行九段 △阿久津主税八段 第77期順位戦 A級1回戦 より
【問題図:▽3四銀 まで】
先手の▲4四歩に対して、いま後手が▽3四銀とかわしたところです。先手玉はいまの瞬間安泰なので、一気に後手玉を攻略したいところです。次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲4三角です
【正解図:▲4三角 まで】
先手玉は後手に角を渡しても問題はないため、露骨に▲4三角と打ち込むのが最も厳しい攻めとなり、正解手です。
正解図から手抜いて▽8八銀は▲5四角成が攻防手となり先手勝勢です。そのため後手は▽同金と応じますが、以下▲同歩成▽同銀右▲4四歩としつこく攻めます。(図1)
【図1:▲4四歩 まで】
図1は▲4三歩成以下の詰めろです。そのため後手は▽5二銀と逃げますが、そこで▲5五桂と跳ねるのが気持ちの良い活用です。(図2)
【図2:▲5五桂 まで】
先手の攻め駒が全軍躍動の形になってきました。図2以下は▽3二金と壁型を解消しながら受けますが、以下▲4三歩成▽同銀引▲同桂左成▽同金に、三度▲4四歩と打ちます。(図3)
【図3:▲4四歩 まで】
図3は4筋の攻めが厳しく受けても一手一手の局面です。実戦も図3の最終手▲4四歩にて、後手の投了となりました。
すぐに先手の攻め駒と後手の守り駒を精算せずに、攻めの種駒を残しながら攻めた本手順は、非常に参考になる手順だったと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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