【次の一手|プロの実戦】問題108-雁木の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲青野照市九段 △門倉啓太五段 第77期順位戦C級1組1回戦 より
【問題図:▽1三金 まで】
先手の▲2四歩に対し、いま後手が▽1三金と逃げたところです。攻めを繋げたい先手はここからどう指しますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲1五歩です
【正解図:▲1五歩 まで】
先手は自玉が穴熊の堅陣に囲えているため、攻めさえ繋がれば勝ちが近づきます。問題図では5五の角取りになっていますが、構わずに▲1五歩と攻める手が正解です。
正解図以下、▽2五歩▲同飛▽5五銀▲1四歩と攻めます。(図1)
【図1:▲1四歩 まで】
角だけでなく、飛車も逃げず▲1四歩と攻めていきます。これぞ穴熊の暴力という手順です。
実戦は図1以下、▽6六銀▲1三歩成▽3二玉▲4四金▽2五桂▲2三歩成▽4一玉▲6六銀と進みました。(図2)
【図2:▲6六銀 まで】
先手は飛車と角を両方とも差し出しましたが、最終手▲6六銀と取った局面は次に▲3二銀以下の詰めろがかかっています。以下▽6二角と退路を開きますが、▲5三歩以下、先手の攻めが繋がる展開となりました。
穴熊という堅陣を生かした、見事な攻めの手順だったと思います。
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