【次の一手|プロの実戦】問題112-相振り飛車の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲竹内雄悟四段 △桐山清澄九段 第77期順位戦 C級2組 1回戦 より
【問題図:▽6七金 まで】
いま後手が▽6七金と打ってきたところです。一手を争う終盤戦で手筋の一着がありました。先手の次の一手を考えてみてください。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲5九飛です
【正解図:▲5九飛 まで】
飛車をタダ捨てして5七に利かす▲5九飛が正解です。働きの弱い飛車を捨てて一手を稼ぐ終盤の手筋です。終盤は駒の損得より速度の格言通りの一着で、飛車を取らせる代償に一手を稼ぎます。
問題図の局面は先手玉にまだ詰めろはかかっていません。ですが、問題図からすぐに▲6四歩と攻めると、以下▽4七桂成▲3五玉▽5七馬▲4四玉▽6四金と対応されます。(参考図1)
【参考図1:▽6四金 まで】
参考図1までの手順は、先手玉を4段目まで誘い込むことで2四の龍の横効きを止めるのが狙いです。こうすることで▽6四金と取られてしまいます。参考図1は後手玉に対して迫る手が全くなく、後手が勝勢となってしまいます。
そのため、正解図の▲5九飛で一手を稼ぐ必要がありました。正解図以下は▽同馬▲6四歩と進めます。(図1)
【図1:▲6四歩 まで】
今度は後手が▲6四歩を防ぐ手段がありません。▲5九飛が格言を実践した見事な終盤の手筋だったと思います。
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