【次の一手|プロの実戦】問題114-角換わりの終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲石田直裕五段 △近藤誠也五段・ 第4期叡王戦段位別予選五段戦 より
【問題図:▽4五金 まで】
いま後手が▽4五金と上がったところです。ここで先手には狙いの手順がありました。三手一組です。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲7二銀成▽同飛▲6一角です
【正解図:▲6一角 まで】
▲7二銀成▽同飛▲6一角が狙いの手順で、7二の飛車と3四の銀の両取りを狙った手順です。
正解図以下▽8二飛と逃げるのは、▲3四角成と銀を取る手が、次の▲3三歩と▲4五馬の2つの狙いを見て猛烈に厳しい一手となります。(参考図1)
【参考図1:▲3四角成 まで】
実戦で後手は正解図以下、▽8六歩と両取り逃げるべからずの格言通りに攻め合いを目指してきました。(図1)
【図1:▽8六歩 まで】
図1以下は▲同銀▽5五角▲7七銀▽3八銀▲同銀▽同歩成▲同金▽4六桂▲3九金と、一転して後手からの攻めの面倒を見ます。(図2)
【図2:▲3九金 まで】
暴れてくる相手の攻めに対して、丁寧に面倒を見ていきます。
図2以下、▽3八銀▲2四飛▽3三金に、そこで▲7二角成が飛車を取るベストなタイミングです。(図3)
【図3:▲7二角成 まで】
両取りをかけた時は、どちらか一方を相手が受けたらもう一方を取る、というのがタイミングですが、図3の最終手▲7二角成はまさにそのタイミングです。
後手の▽3三金が取られそうな片側の駒である3四の銀を守った手なので、▲7二角成ともう一方の駒を取ります。また▽3三の金を上がった手は、先手からみて2四の飛車と3九の金が2枚取られそうな形をしており、言ってしまえば両取りです。なので、両方逃げずに攻めの手を考えるというのは自然な発想です。
図3以下は▽2四金に▲4五馬と取った手が詰めろで先手が優勢です。(図4)
【図4:▲4五馬 まで】
▽同銀と取る手は詰めろではないため 、▲6二飛から詰めろをかけていけば良い局面です。実戦は図4以下▽3九銀不成と詰めろをかけますが、▲6一飛以下即詰みに打ち取っています。
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