【次の一手|プロの実戦】問題120-角換わりの終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲松尾 歩八段 △三浦弘行九段 第31期竜王戦決勝トーナメント より
【問題図:▲6五同歩 まで】
いま先手が▲6五同歩と香車を取ったところです。先手玉を寄せたいところですが、後手はここでどのように指しますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽6六歩です
【正解図:▽6六歩 まで】
▽6六歩と垂らす手が正解で、次に▽6七歩成を狙った手です。代えて▽4七角成も有力ですが、▲1二香▽同香▲同香成▽同香▲1四香と反撃される展開になります。この変化でも後手が優勢ですが、決めれるところは決めにいきたいところです。
実戦は正解図以下▲4八金と引いて▽4七角成を受けましたが、以下▽6七歩成▲7九金▽7八飛▲同金▽同角成▲9七玉▽8八金と進みます。(図1)
【図1:▽8八金 まで】
次の▽8七金の狙いが解っていても受かりません。実戦もここで投了しました。
正解手の▽6六歩は2つのセオリーに基づいた手筋です。
1点目は相手の歩の裏に歩を垂らすことです。先手の▲6五歩の裏側である▽6六歩と垂らすことで、先手は▲6八歩と受けることができません。
2点目は"金は斜めに誘え"という格言です。上ずった金は守りの面ではほとんど役に立たなくなるため、単に駒を取るよりも遥かに高い価値があります。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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