【次の一手|プロの実戦】問題121-矢倉の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲斎藤慎太郎七段 △郷田真隆九段 第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント より
【問題図:▲3五桂 まで】
いま先手が▲3五桂と打ったところです。次に▲5二角成からの攻めを見せられているため、後手はこれを受けなければいけません。どのように受けますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽2三桂です
【正解図:▽2三桂 まで】
▽2三桂が受けの手筋です。▲同桂成なら▽同玉と取り、再度の▲3五桂には▽3四玉と上部に逃れることができます。
実戦は正解図以下、▲5二角成▽同金▲4三桂成▽7六歩と進みました。(図1)
【図1:▽7六歩 まで】
先手はやむなく角を切って攻めていきましたが、図1の局面は後手玉がなかなか詰む形が見えてきません。▽2三桂の受けで▲4三桂成と成らされたことで上部から攻めていけない形となり、後手玉の耐久力が一気に上がりました。
一方で▽7六歩と取り込まれた先手玉は、上部から攻められるためわかりやすい寄り形が見えています。▽2三桂という受けの手筋で、先手玉と後手玉の耐久力に差がつく展開となりました。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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