【次の一手|プロの実戦】問題125-雁木の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲永瀬拓矢七段 △渡辺 明棋王 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント より
【問題図:▲6八同玉 まで】
いま後手の▽6八歩に対して▲同玉と取ったところです。後手は先手玉をどのように寄せますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽8六角です
【正解図:▽8六角 まで】
▽8六角と角を捨てる手が正解です。
正解図以下、▲同金▽7七角▲6九玉▽5七桂不成▲7八玉▽8六角成と進みます。(図1)
【図1:▽8六角成 まで】
途中の▽5七桂不成が重要な一手で、先手玉を7八の危険地帯に呼び寄せる一手です。代えて単に▽8六角成では▲6八金打と粘る手があります。(参考図1)
【参考図1:▲6八金打 まで】
これでも後手がはっきり優勢ではありますが、図1の局面と比較するとまだ先手玉に粘る余地がありそうです。そのため、▽5七桂不成▲7八玉としてから▽8六角成とするのが好手順です。
図1の局面は先手玉は受け無しです。実戦は図1以下▲7七歩と受けますが、▽同馬が決め手です。(図2)
【図2:▽7七同馬 まで】
図2以下、▲同玉▽6五桂▲6八玉▽8八飛成▲7八金▽6九金▲同飛▽同桂成▲同玉▽3九飛と進みます。(図3)
【図3:▽3九飛 まで】
図3以下は5九に何を合い駒しても▽7九金以下の詰みです。5八の金を引く移動合も、▽7八龍▲同銀▽5九飛成▲同玉▽5八金以下ぴったりの詰みです。
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