将棋上達を目指す人のためのブログ

20代になってから勉強を始めて、将棋倶楽部24で六段になった将棋指しが書く

【観戦記】【次の一手】某アマ強豪の棋譜より

先日の社団戦にて、学生時代から交流いただけているアマ強豪の方の棋譜をご提供いただきました。ご提供いただけた棋譜より、個人的に勉強になったと思った手を、問題形式で記事に整理します。棋譜をご提供いただけたアマ強豪の方ですが、学生名人戦で3位に入るなどの実績があります。

その強豪の方の棋譜について当記事で取り上げるのは、中盤から終盤の攻めの繋げ方です。一見細く見える攻めを繋げるテクニックについて学びます。

問題数は全部で7問です。「正解を表示する」ボタンをクリックすると、正解内容と次の問題が表示されます。

 

テーマ:攻めの繋ぎ方 雁木vs矢倉(※後手が某アマ強豪氏) 

【問題図1:▲7七金 まで】

後手の▽6六角に対し、先手が▲7七金と強く受けてきました。角を逃げる手もありそうですが、ここでは攻める手を考えてみてください。どのように攻めを繋げていけば良いでしょうか。5手読んでください。

 

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(問題図1の正解)

問題図1以下、▽2五銀▲同飛▽7七角成▲同桂▽6四桂が正解です。

【正解図1:▽6四桂 まで】

銀と角を両方食いちぎり、▽6四桂と打ちます。一見細そうな攻めですが、最終手▽6四桂が攻めの継続手です。

 

【問題図2:▲7六同銀 まで】

正解図1以下、▲6七銀右▽7六桂▲同銀と進みました。攻め駒が持ち駒の歩を含めても現状3枚であるため、攻め駒を増やしたいところです。3手進めて、攻めを継続させてください。

 

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 (問題図2の正解)

問題図2以下、▽6六金▲6七銀打▽3三桂が正解です。

【正解図2:▽3三桂 まで】

▽6六金が厳しい手です。これに対して▲6七銀打は、▽7七金であれば▲6六角と打ち、王手金取りで受けきる狙いですが、そこで▽3三桂が好手です。

飛車取りに当てながら、玉の小びんをケアした1手で、この▽3三桂を指せるのが、全問で▽2五銀と桂を食いちぎった効果です。

 

※正解図1~正解図2までの手順は、この棋譜のハイライトと言える手順です。 棋譜を提供いただいた強豪の方ご本人の解説を記事の最後に記載しておりますので、是非参考にしてください。

 

【問題図3:▲6六角 まで】

正解図2以下、▲2九飛▽7七金▲6六角と進みました。

まだ攻めが切れないように注意が必要です。3手進めてください。

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(問題図3の正解)

問題図3以下、▽7八銀▲同銀▽7六金が正解です。(正解図3)

【正解図3:▽7六金 まで】

守備の要となっている角を攻めるのが良い構想です。なぜ角を攻めるのが良いかというと、7七の地点の守備に効いているのはもちろん、角を取ることで3三の桂を▽4五桂と攻めに使う味も出てくるからです。守備の要である角を取ることで、後手の攻め駒を増やせます。

 

【問題図4:▲6七歩 まで】

正解図3以下、▲7七銀打▽6六金▲同銀▽7四桂▲6七歩と進みました。

前問で角を取ってからの狙いの一手です。

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(問題図4の正解)

問題図4以下、▽4五桂が正解です。

【正解図4:▽4五桂 まで】

角を取ったことで▽4五桂と跳ねられるようになりました。これで後手の攻め駒は歩を除いて4枚あるため、切れる心配は殆ど無くなったと言えるでしょう。

 

 【問題図5:▲6六同歩 まで】

正解図4以下、▲4六角▽6六桂▲同歩と進みました。

持ち駒の歩を生かして攻めを繋げます。5手進めてください。

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(問題図5の正解)

問題図5以下、▽7七歩▲同銀▽7六歩▲同銀▽7七角が正解です。

 【正解図5:▽7七角 まで】

歩の連打で銀の頭を叩き上げます。最終手▽7七角は幅広い攻め方を用意した一手で、▽9九角成と▽6六角成の両狙いがあります。▽7七角に代えて▽7七銀も良い手だと思います。

 

【問題図6:▲6七金 まで】

正解図5以下、▲2四歩▽同歩▲4四歩▽3三金寄▲7八玉▽6六角成▲6七金と進んで問題図6です。先手の守備駒を乱す手筋です。

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(問題図6の正解) 

問題図6以下、▽7七歩が正解です。

【正解図6:▽7七歩 まで】

▽7七歩と焦点に打つのが好手です。▲同金に▽5七馬▲同角▽同桂成と進めば、先手の受けが効かない形に持っていけます。

 

【問題図7:▲5八歩 まで】

正解図6以下、▲同金▽5七馬▲同角▽同桂成▲5八歩と進みました。解りやすい決め手があります。

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(問題図7の正解)

問題図7以下、▽5六角が正解です。

【正解図7:▽5六角 まで】

▽5六角が王手飛車で激痛です。実戦はこの▽5六角で投了となりました。

 

まとめ

この将棋の観戦記を以下にまとめます。

この将棋のハイライトは問題図1~問題図2の手順です。

【問題図1(再掲)】

正解手順でも示した通り、問題図1の局面から▽2五銀▲同飛▽7七角成▲同桂▽6四桂と進みました。初手の▽2五銀が、後の▽3三桂を実現させる好手です。▽3三桂と跳ねてからは後手の攻めが切れる心配がなくなりました。

この▽2五銀から▽3三桂と跳ねるまでの手順について、強豪氏ご本人に解説いただきました。

(強豪氏の解説)

問題図1の局面で、初めは▽2五銀を入れずに▽7七角成▲同桂▽6六金という手順を予定していましたが、それだと▲5五角打から金を抜かれるのに気が付きました。(参考図1)

【参考図1:▲5五角打 まで】

(強豪氏の解説)

なので、▽2五銀▲同飛▽6四桂▲6七銀右▽7六桂▲同銀を入れてから▽6六金を打つことで、▲5五角打には▽同銀▲同角▽3三角と切り返せるようにしました。(参考図2)

【参考図2:▽3三角 まで】

▽2五銀と先に食いちぎったのは、先手の▲5五角打という受けの手段を未然に防いだ一手だったわけですね。強豪氏によると、▽6四桂に▲6七銀右と受けた手が少し疑問だったのではないかとのことです。▲6七銀右に代えて「敵の打ちたいところへ打て」▲6六角と先着するか、「両取り受けるべからず」▲4四歩と強く突く手が有力だったのではないかとのことです。

【参考図3:▲6六角 まで】

【参考図4:▲4四歩 まで】

 

本譜は▲6七銀右だったため、▽3三桂以下、後手が一方的に攻める展開となりました。▽2五銀~▽3三桂の一連の手順が、とても参考になる攻めの組み立てだったと思います。凄いなと思った手順について、背景の読み筋をご本人に解説いただけると、その手順の凄さをより感じられますね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

棋譜のご提供、ならびに棋譜の解説をしていただき、ありがとうございました!