大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題63-三間飛車の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲加藤桃子女王 △香川愛生女流三段 第39期 女流王将戦 本戦トーナメント 準決勝 より

【問題図:▲7五銀 まで】

いま先手が▲7五銀と打った局面です。後手のみ一方的に飛車を打ち下ろせている上に、先手が歩切れで具体的な攻めが難しいことから、局面は後手が駒損ながら優勢です。優勢を維持するにはどう指せば良いでしょうか。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は▽同角です。

【正解図:▽同角 まで】

▽同角と取ってしまうのが最善です。代えて▽4二角と逃げると、いきなり▲8四銀と出られる手が気になるところです。以下▽同玉▲6六角と進んだ局面は、玉頭の薄い後手の弱点をつかれており、後手としては嫌な展開でしょう。

正解図以下、▲同歩に▽8二玉が実戦の進行手順で、優勢を盤石にする好手順です。(図1)

【図1:▽8二玉 まで】

▽8二玉は次に▽4七飛成を狙いながら(すぐに▽4七飛成は▲6五角で王手飛車がある)玉頭を緩和した一石二鳥の手です。先手は飛車と角を手持ちにしていますが、後手陣は大駒の打ち込みに耐久力がある形で、すぐに厳しい攻めがありません。

自陣の唯一の弱点である玉頭を緩和しながら、ゆっくり▽4七飛成を間に合わす方針が優れた大局観でした。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!