【次の一手|プロの実戦】問題63-三間飛車の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲加藤桃子女王 △香川愛生女流三段 第39期 女流王将戦 本戦トーナメント 準決勝 より
【問題図:▲7五銀 まで】
いま先手が▲7五銀と打った局面です。後手のみ一方的に飛車を打ち下ろせている上に、先手が歩切れで具体的な攻めが難しいことから、局面は後手が駒損ながら優勢です。優勢を維持するにはどう指せば良いでしょうか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽同角です。
【正解図:▽同角 まで】
▽同角と取ってしまうのが最善です。代えて▽4二角と逃げると、いきなり▲8四銀と出られる手が気になるところです。以下▽同玉▲6六角と進んだ局面は、玉頭の薄い後手の弱点をつかれており、後手としては嫌な展開でしょう。
正解図以下、▲同歩に▽8二玉が実戦の進行手順で、優勢を盤石にする好手順です。(図1)
【図1:▽8二玉 まで】
▽8二玉は次に▽4七飛成を狙いながら(すぐに▽4七飛成は▲6五角で王手飛車がある)玉頭を緩和した一石二鳥の手です。先手は飛車と角を手持ちにしていますが、後手陣は大駒の打ち込みに耐久力がある形で、すぐに厳しい攻めがありません。
自陣の唯一の弱点である玉頭を緩和しながら、ゆっくり▽4七飛成を間に合わす方針が優れた大局観でした。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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