大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題98-相掛かりの終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲佐藤天彦名人 △佐藤和俊六段 第31期竜王戦2組昇級者決定戦 より

                                      

【問題図:▽2二香 まで】

いま後手が▽2二香と受けたところです。先手の攻めの継続手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      

正解は▲2二同飛成です

【正解図:▲2二同飛成 まで】

問題図では、飛車を渡しても先手玉は詰めろにはなりません。正解手の▲2二同飛成はこの瞬間に後手玉を受け無しに追い込む狙いです。

正解図以下は▽同金▲2三歩と進みます。(図1)

        

【図1:▲2三歩 まで】

図1以下▽同金は、▲同角成▽同玉▲2四歩▽同玉▲2七香▽2五歩▲同香▽1四玉▲4九龍が一例の進行です。(参考図1)

【参考図1:▲4九龍 まで】

▲4九龍が後手の攻めの要である角を取りながら詰めろをかける決め手です。参考図1は次に▲2三角以下の詰めろになっており、先手が勝勢です。

 

また、図1から▽3三金と逃げるのは▲2五香▽2四桂▲4九龍▽同金▲4二角が一例の進行です。(参考図2)

【参考図2:▲4二角 まで】

ここでも▲4九龍が決め手です。参考図2は▲2二歩成▽同玉▲3三角成以下の詰めろになっていますが、後手にはこれを受ける適切な手がありません。また後手は飛車を二枚所持していますが、▽9八飛と打つ手には▲7八歩と受けておけば先手玉は寄りません。参考図2も先手が勝勢の局面だと思います。

 

後手は正解図から単純な受けをすると、いずれも▲4九龍を攻防の決め手にされてしまいました。そこで実戦では図1以下▽5八角成▲同玉▽4八金▲同玉▽2八飛と、飛車の効きを使って受けてきました。(図2)

【図2:▽2八飛 まで】

図2以下は▲3八金▽2三飛成▲同角成▽同金▲2四歩▽同金▲2五歩▽2三金▲2四香と進みます。(図3)

【図3:▽2四香 まで】

先手は▲2四歩~▲2五歩と後手の守りの金を確実に攻めていきます。後手は飛車を受けに使ってしまったため、先手玉に厳しい攻めが出来ないことを見越しています。

図3は受けても1手1手で先手勝勢です。実戦も▽2二歩▲4二銀成と進み、後手の投了となりました。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!