将棋上達を目指す人のためのブログ

20代から本格的に勉強を始め、将棋倶楽部24で六段になった将棋指しによる

【次の一手|プロの実戦】問題82-の雁木の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲羽生善治竜王 △深浦康市九段 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント より

              

【問題図:▲8九玉 まで】

▽7七銀の王手に対し、いま先手が▲8九玉と引いたところです。次に▲6一飛成からの詰めろになっていますが、どのように受けますか。三手先まで読む問題です。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                

正解手順は▽8八銀成▲同玉▽6六飛です

【正解図:▽6六飛 まで】

手順の意味がわからないかもしれませんが、正解図から▲6一飛成と詰ましにいくのは、▽同飛と取った手が逆王手になります。(参考図1)

【参考図1:▽同飛 まで】

参考図1は3三の角筋が先手玉に当たってくるため逆王手になります。参考図1以下の進行例は、▲6六歩▽同角▲7九玉▽7三飛と進んで、先手の攻めの要である5三の成銀を外しにいってどうか。(参考図2) 後手陣が2枚飛車の効きで安泰となり、十分戦える局面だと思います。

【参考図2:▽7三飛 まで】

実戦は正解図以下、▲同飛▽同角▲7九玉▽7三飛▲7八桂と進みます。(図1)

【図1:▲7八桂 まで】

この手順も▽7三飛から成銀を取られる変化がありますが、先手は飛車を持ち駒にして長い戦いを見据えています。最終手▲7八桂の受けは、▽5三飛なら▲6六桂と角を取り、駒得を主張していく狙いです。

ですが図1以下、後手は成銀を取らずに▽8七歩とします。図1の局面で後手の詰めろが外れたので、攻勢にまわることができました。(図2)

【図2:▽8七歩 まで】

以下は難解な将棋が続きましたが、攻勢に出ることで局面の複雑化に成功した後手が先手のミスを誘い、逆転勝利を収めています。 

 

一方で、問題図からシンプルに▽6二歩と受けるのはどうだったでしょうか。
一例としては、▲6四桂▽4二金▲4三桂という手順が考えられます。(参考図3)

【参考図3:▲4三桂 まで】

参考図3以下▽4一玉なら、▲5二銀▽3二玉▲9五飛と詰めろをかけながら角を取ってどうか。また参考図3以下▽同飛なら、▲同成銀▽同金▲3一飛と攻めていってどうか。先手は銀や桂という相手に渡しても問題のない駒(自玉が詰まない)で攻めているので、しばらく攻勢を取り続けることができそうです。

後手としては、このような受け一辺倒になる展開は逆転しにくいのではないかと思います。正解手順は攻守逆転に繋がる、素晴らしい手順だったと思います。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!