【次の一手|プロの実戦】問題33ー角換わりの中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲豊島将之八段 △松尾 歩八段 第31期竜王戦1組ランキング戦 より
【問題図:▽8五歩 まで】
豊島八段の流れるような攻めの手順を学びましょう。いま後手が▽8五歩と歩をあわせたところです。後手陣を攻めていきたいところですが、どのような手順で攻めていけば良いでしょうか。
まずは三手一組を。もっと読めるという人は五手、七手、九手、十一手と、どんどん先を読んでみてください。
(正解は以下にスクロールするとあります)
正解手順は▲1二歩▽2二玉▲1一歩成です
【正解図:▲1一歩成 まで】
まずは三手目までの手順を見ていきます。▲1二歩~▲1一歩成とし、端に玉を誘いこむのが正解手順です。角換わりの将棋で頻出する手筋なので、ぜひ覚えておいてください。
正解図からの手順は、▽同玉▲1四歩▽同香▲2四歩▽同銀▲同馬▽同歩▲同飛(図1)と進行します。十一手先まで読めたという方は、ここまでが正解手順です。
【図1:▲同飛 まで】
手順途中の▲1四歩がポイントで、最終手▲2四飛と走った時に、香取りになるように味つけをしています。この手順は、先手の強力な駒だった馬を捨てた攻めなので、部分的には少しやりすぎな手順ですが、最初の三手で玉を1一まで誘い込んでいるため、攻めがクリーンヒットする手順となっています。
図1以下、▽2三角▲4四歩▽3四銀▲3五歩(図2)と進みます。
【図2:▲3五歩 まで】
▽2三角は香取りを受ける唯一の受けであるため、仕方のないところです。それに対する▲4四歩が好手で、▽同銀なら▲2三飛成▽同金▲3二角(参考図1)と進み、飛車と金の両取りが決まります。
図2の局面で▽同銀でも、やはり▲2三飛成▽同金▲3二角が厳しく、先手優勢の局面です。
【参考図1:▲3二角 まで】
問題図から何度も見返したくなる、流れるような手順だったのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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