【次の一手|プロの実戦】問題61-四間飛車の終盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
第49期王将戦挑戦者決定リーグ戦 ▲谷川 浩司棋聖 ▽中原 誠永世十段 より
【問題図:▽3八歩成 まで】
いま▽3八歩成として、飛車取りにと金を作ったところです。この瞬間は先手が大きな駒得で、形勢もはっきり優勢です。後手の美濃囲いに迫る決め手を考えたいところです。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲2五飛です
【正解図:▲2五飛 まで】
この場面で先手にとって最も欲しい駒は桂です。桂を入手するために、飛車を切る手が正解になります。
以下▽同歩▲7四桂▽9三玉▲9六歩と進みます(図1)
【図1:▲9六歩 まで】
図1最終手の▲9六歩が"端玉には端歩"という格言通りの攻めです。次に▲9五歩と取り込んだ手が、▲9四香▽8四玉▲7五馬までの詰めろになっています。
図1以下は、▽8四歩▲6三香▽5八銀不成▲同金▽5四金▲6一香成▽6四金▲6一香成▽5七歩▲同金▽9九飛▲8八玉(図2)と進み、先手の勝ちがはっきりしました。
【図2:▲8八玉 まで】
途中の▲6三香は俗手ですが確実で厳しい攻めです。▽6二歩と受けるのは▲同香成▽同角▲同桂成▽同金▲7一角という手順が決まります。
図2の最終手▲8八玉が決め手で、後手は飛車を渡せば▲9四銀以下の詰めろがかかります。
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