大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題47-四間飛車の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲豊島将之八段 △阿久津主税八段 第59期王位戦挑戦者決定リーグ白組  より

【問題図:▲6九銀打 まで】

いま先手が▲6九銀打とした局面です。先手玉は端が広くすぐには寄らなそうな陣形です。一方で後手玉には▲7一金から確実な攻めがあるため、先手優勢に見えますが、ここで後手が形勢を急接近させる寄せの好手順がありました。五手一組の手順です。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解手順は▽9六桂▲同香▽6九龍▲同銀▽9九銀です

【正解図:▽9九銀 まで】

思わず、カッコいい。。。と言ってしまいそうな、派手な手順です。

初手の▽9六桂は、先手の上部への逃げ道を防ぎながら、最終手▽9九銀のスペースを作った手です。上部への逃げ道を塞いでみると、案外先手玉が狭く寄りそうな陣形に見えてきます。▽6九龍として銀を入手し、入手した銀を▽9九銀と打ち込みます。

正解図以下▲同玉▽7九馬(図1)と進んだ局面は、次に先手玉に詰めろがかかっているのに対し、後手玉はまだ詰めろではありません。攻めの速度が逆転し、形勢不明となった局面と言えるでしょう。

【図1:▽7九馬 まで】

図1以下は▲8七飛▽6一銀▲9七銀(図2)と進みます。

【図2:▲9七銀 まで】

攻め駒不足の後手は▽6一銀として、質ゴマである金を入手します。▲9七銀と打ったところで▲同角成は、▽同金▲同飛成に▽9八金▲同玉▽8九角▲同飛▽9七金▲9九玉▽8九馬▲同玉▽8八飛▲7九玉▽8七桂(参考図1)という手順で詰みがあります。

【参考図1:▽8七桂 まで】

実戦は図2以下、▽6九馬としたため▲6一角成で先手が勝ちになりましたが、▽6二金打(参考図2)としておけば互角の形勢だったようです。

【参考図2:▽6二金打 まで】

実戦では敗れたものの、阿久津八段の華麗な寄せの手順でした。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

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