【自戦記】02-角換わり
当記事では自分が指した将棋を振り返って、
- 相手の方で参考になった一手、手順、構想
- 自分が上手くさせたと思う一手、手順、構想
- 対局後に検討して発見した一手、手順、構想
などを整理しています。
今回は将棋倶楽部24の対局から紹介です。(持ち時間1分、秒読み30秒)
▲先手:相手の方(5段)
▽後手:私
戦型:角替わり腰掛け銀vs早繰り銀
【この記事の目次】
1.駒損でも堅さを生かして一気に攻めこめれば優勢
【図1:▽6九角 まで】
いま▽6九角と打ったところです。実戦でこの手は秒に追われて指した感があり、▲5八銀と受けられた後どう攻めを繋ごうか悩んでいました。
ただ▲5八銀の場合は攻めが繋がっていたようです。
図1から▲5八銀▽8六飛▲8七銀▽7八角成▲同玉▽7七歩(図2)
【図2:▽7七歩 まで】
図2の最終手▽7七歩が好手です。以下▲同桂か▲同玉が考えられますが、
▲同桂の場合、▽8九銀▲8八玉▽7八金▲9七玉▽8二飛▲8三歩▽7二飛と進みます。(参考図1)
【参考図1:▽7二飛 まで】
参考図1の局面で、後手の飛車の効きを止める良い手順がありません。次に▽7七金や▽7七飛成を狙い、後手が十分の局面です。
また図2から▲同玉の場合、▽7六金▲同銀▽8九飛成と進みます。(参考図2)
【参考図2:▽8九飛成 まで】
後手は駒損ながら飛車を成り込むことに成功しました。自玉がしっかりいるため、後手が十分に戦える局面です。
2.実戦でリスクを取ることの大切さ
実戦では、相手の方は図1で▲5八銀と打たず、▲4四歩▽同金▲7一角(図3)と進みました。
【図3:▲7一角 まで】
実戦では図3以下▽4二飛でしたが、ここでは▽4七角成が勝りました。図3以下▽4七角成▲8二角成▽3七馬▲2四飛▽同歩▲4一銀▽3一金と進めるのが良かったようです。(参考図3)
【参考図3:▽3一金 まで】
この手順の進行はシミュレーションできていましたが、実戦では終盤に手番を握られるリスクに対する恐怖があり、読みでは大丈夫だと思っていても選べなかった順でした。
実際に参考図3の局面まで進んだとすると、後手玉に対して厳しく迫る手が難しいため、選びたかった手順でした。
正確に読めていても、感覚的な理由から選ぶことができない手順もあります。ですが、そのような手順を選ばないと致命傷になってしまうことも。。。実戦でリスクを取る経験をしていく必要があるなと感じた一局でした。