将棋上達を目指す人のためのブログ

20代になってから勉強を始めて、将棋倶楽部24で六段になった将棋指しが書く

【次の一手】アクロバティックな切り返しの手順

昨日、とある将棋仲間と一緒にゴキゲン中飛車の超速の将棋について、検討会をしていた時のことです。そこでその将棋仲間が披露した、なかなかお目にかかれない、驚愕の手順がありました。折角なので、その手順を次の一手の問題形式で紹介させていただきます。

▲先手:私

▽後手:とある将棋仲間

 【問題図:▲3二金 まで】

図1は先手が▲3二金と打った局面です。飛車と銀の両取りの厳しい一手で、はっきりと先手良しに見えます。先手の角の効きを止める手もなさそうです。しかし、ここでは後手が形勢をひっくり返す驚愕の手順がありました。次の一手、お分かりになるでしょうか。

(正解手は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解手は、▽3九角 です。

【正解図:▽3九角 まで】

ここで後手はまさかの▽3九角と打ちました。なぜまさかなのかと言うと、▲3八飛と寄った局面は、後手の3一の飛車と3九の角の両取りになるからです。次に必ずどちらかが取れる形になっているため、将棋が終わっているように見えますが。。。

正解図以下、▲3八飛に▽6六桂!と打ちます。(図1)

【図1:▽6六桂 まで】

次に来たのはふんどしの桂打ち6六桂。これももちろん▲同歩と取れます。しかし図1以下、▲同歩▽同角成と進んだ局面で、ようやく手順の意味を理解しました。(図2)                  

【図2:▽6六同角成 まで】

図2の最終手、▽6六同角成までが狙いの手順でした。次に後手は▽6五馬と角を取る狙いですが、▲4三角成と逃げるのは▽3四銀が好手です。(図3)

【図3:▽3四銀 まで】

図3以下、もし▲同馬なら▽3二飛と進んだ局面が、詰めろ馬取りです。(図4)

【図4:▽3二飛 まで】

図4は次に▽8八金と打って玉を詰ます手と▽3四飛と馬を取る手を見せており、後手勝勢の局面になっています。

戻って図2では▲3一金と飛車を取るくらいでしょうが、後手も▽6五馬と角を取ります。(図5)

【図5:▽6五馬 まで】

図5は次に▽5六馬の王手飛車を狙っています。先手は▲6七銀と受けておくくらいでしょうが、以下▽4六歩と歩を取り込まれて第6図の局面です。

【第6図:▽4六歩 まで】

第6図の局面は先手が桂得しているものの、問題図で打った金が3一に取り残されており、全く捌きが見込めません。また後手からは▽4七銀や▽4九銀の攻めがあるのに対し、先手からは陣形の美濃囲いに対してすぐに迫る手がありません。第6図は後手が優勢な局面と言えるでしょう。どうしてこうなった。。。

 

どうやら問題図で打った▲3二金が悪手のようで、▲3二金に代えて1度▲4三角成としなければいけなかったみたいです。

【図7:▲4三角成 まで】

▲4三角成は、先述の▽3九角~▽6六角成と進んだ時に、▽6六角成が角取りにならないようにした手です。次に▲3二金を見せておけば、先手が十分に戦えた局面だったようです。

しかし▽3九角から▽6六桂、▽6六角成という手順・・・こんな手順が見えるものなんですね。本当に感動しました。