【次の一手|プロの実戦】問題105-中飛車の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲木村一基九段 △菅井竜也王位 第77期順位戦 B級1組 1回戦 より
【問題図:▽3一飛 まで】
先手の▲3四金と打った手に対し、いま後手が▽3一飛と飛車を引きました。ここで先手に優位を築く手順があります。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲4四金です
【正解図:▲4四金 まで】
問題図の局面は互いの飛車の間に先手の金が挟まっており、先手が動きづらい状況でした。ですが、その飛車をあっさり見捨てて角を取る▲4四金が正解になります。
正解図以下は▽3六飛▲5四金▽同銀に▲1八角が狙いの手順です。(図1)
【図1:1八角 まで】
図1の最終手▲1八角が狙いの一手で、▽3九飛成には▲5四角と銀を取ることができます。銀を取った角が攻めによく効いていますし、銀を取ったことで先手の遊んでいた8八の角が5五に出れるようになります。(参考図1)
【参考図1:▲5四角 まで】
そのため実戦は図1以下▽3九飛成とはせずに、▽3九飛打と飛車を繋いで受けてきました。以下▲3六角▽同飛成▲5二飛▽6三銀▲2二飛成と進みます。(図2)
【図2:▲2二飛成 まで】
先手は敵陣に飛車を打ち込み、攻めの体制を作ることに成功しました。途中▽6三銀と引かせた手は玉を固めさせて損したように見えますが、先述した▲5五角と出るために銀を引かせた巧妙な手順です。
図2の局面は先手が駒得ですし、課題だった8八角の活用も見込めているため、先手が若干指せる局面ではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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