大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題105-中飛車の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲木村一基九段 △菅井竜也王位 第77期順位戦 B級1組 1回戦 より

                              

【問題図:▽3一飛 まで】

先手の▲3四金と打った手に対し、いま後手が▽3一飛と飛車を引きました。ここで先手に優位を築く手順があります。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              

正解は▲4四金です

【正解図:▲4四金 まで】

問題図の局面は互いの飛車の間に先手の金が挟まっており、先手が動きづらい状況でした。ですが、その飛車をあっさり見捨てて角を取る▲4四金が正解になります。

正解図以下は▽3六飛▲5四金▽同銀に▲1八角が狙いの手順です。(図1)

【図1:1八角 まで】

図1の最終手▲1八角が狙いの一手で、▽3九飛成には▲5四角と銀を取ることができます。銀を取った角が攻めによく効いていますし、銀を取ったことで先手の遊んでいた8八の角が5五に出れるようになります。(参考図1)

【参考図1:▲5四角 まで】

そのため実戦は図1以下▽3九飛成とはせずに、▽3九飛打と飛車を繋いで受けてきました。以下▲3六角▽同飛成▲5二飛▽6三銀▲2二飛成と進みます。(図2)

【図2:▲2二飛成 まで】

先手は敵陣に飛車を打ち込み、攻めの体制を作ることに成功しました。途中▽6三銀と引かせた手は玉を固めさせて損したように見えますが、先述した▲5五角と出るために銀を引かせた巧妙な手順です。

図2の局面は先手が駒得ですし、課題だった8八角の活用も見込めているため、先手が若干指せる局面ではないかと思います。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!

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