【次の一手|プロの実戦】問題113-角換わりの中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲三浦弘行九段 △屋敷伸之九段 第4期叡王戦段位別予選九段戦 より
【問題図:▲6三金 まで】
いま先手が6二の金を▲6三金と引いて活用したところです。ここで後手はどう指しますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▽4一桂です
【正解図:▽4一桂 まで】
問題図の局面は後手が若干の駒損ながら、先手の攻め駒が少なく具体的な攻めも難しい状況です。戦いを長引かせれば後手の豊富な持ち駒が生きる展開となり、形勢が傾いていきそうな局面です。ここではその長引かせる狙いを実践する▽4一桂が正解手です。
問題図から次に▲5三角成を許してしまうと、一気に先手の攻めの選択肢が広がり、後手が指しにくくなってしまいます。一方で▲5三角成を防いでしまえば、先手からさほど脅威な攻めはありません。桂を受けに使っても後手には角銀桂という豊富な持ち駒があり、楽しみのある局面が続きます。具体的には▽3六桂などが狙いとなります。
攻めに困った先手は正解図以下、▲3四歩▽同金▲5三金と、金を捨てて強引に駒の活用を図りますが、ここも金を取らずに▽6五角が好手です。(図1)
【図1:▽6五角 まで】
図1の▽6五角に代えて▽同桂とするのは、やはり▲同角成で先手良しです。▽6五角は先手の▲4三金を防ぎながら、次に▽3六桂や▽3六銀を狙いにした攻防手です。
このように、攻めの有効手が限られている側は、有効手を消されていくと苦しくなっていきます。中盤で優勢になってからの参考になる指し回しだったのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!