【次の一手|プロの実戦】問題122-三間飛車の中盤戦
プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。
今回は以下の棋戦からの紹介です。
▲三枚堂達也六段 △杉本和陽四段 第90期ヒューリック杯棋聖戦一次予選 より
【問題図:▽7四香 まで】
いま後手が▽7四香と打ったところです。次の狙いは当然▽7七香成ですが、先手はこれをどう受けますか。
(正解は下にスクロールするとあります)
正解は▲6六銀です
【正解図:▲6六銀 まで】
▲6六銀と受けるのが正解です。代えて▲7六歩と受けるのが自然に見えますが、以下▽8四桂▲6八桂▽5七銀が進行の一例です。(参考図1)
【参考図1:▽5七銀 まで】
この変化も先手悪くはありませんが、▲5五銀の働きが気になるところです。参考図1の最終手▽5七銀と打った局面は、後手にも楽しみのある局面だと思います。
正解手の▲6六銀以下▽7七香成とするのは、▲同銀と取った形が先手陣に全く嫌味がありません。
実戦は正解図以下、▽6五歩▲7五歩▽6六歩▲7四歩と進みます。(図1)
【図1:▲7四歩 まで】
一連のやり取りで香銀交換の駒損にはなったものの、先手の堅陣は健在です。次に▲7五桂など上部からの攻めが楽しみで、入手した香も生きる展開となりそうです。
この一連の手順によって、問題図で働きが曖昧だった5五の銀を捌き、攻め駒を増やすことができました。図1の局面は先手に一枚もたりとも遊びゴマが無く、中盤を完全に制した局面と言えると思います。
いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。
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