大人からの将棋上達ブログ

成人後に将棋を本格的に始め、24で六段になった将棋指しの

【次の一手|プロの実戦】問題113-角換わりの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲三浦弘行九段 △屋敷伸之九段 第4期叡王戦段位別予選九段戦 より

                          

【問題図:▲6三金 まで】

いま先手が6二の金を▲6三金と引いて活用したところです。ここで後手はどう指しますか。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          

正解は▽4一桂です

【正解図:▽4一桂 まで】

問題図の局面は後手が若干の駒損ながら、先手の攻め駒が少なく具体的な攻めも難しい状況です。戦いを長引かせれば後手の豊富な持ち駒が生きる展開となり、形勢が傾いていきそうな局面です。ここではその長引かせる狙いを実践する▽4一桂が正解手です。

問題図から次に▲5三角成を許してしまうと、一気に先手の攻めの選択肢が広がり、後手が指しにくくなってしまいます。一方で▲5三角成を防いでしまえば、先手からさほど脅威な攻めはありません。桂を受けに使っても後手には角銀桂という豊富な持ち駒があり、楽しみのある局面が続きます。具体的には▽3六桂などが狙いとなります。

 

攻めに困った先手は正解図以下、▲3四歩▽同金▲5三金と、金を捨てて強引に駒の活用を図りますが、ここも金を取らずに▽6五角が好手です。(図1)

【図1:▽6五角 まで】

図1の▽6五角に代えて▽同桂とするのは、やはり▲同角成で先手良しです。▽6五角は先手の▲4三金を防ぎながら、次に▽3六桂や▽3六銀を狙いにした攻防手です。

このように、攻めの有効手が限られている側は、有効手を消されていくと苦しくなっていきます。中盤で優勢になってからの参考になる指し回しだったのではないかと思います。

 

いかがでしたでしょうか?問題の感想などございましたら、コメントをいただければ幸いです。

もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!

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【次の一手|プロの実戦】問題112-相振り飛車の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲竹内雄悟四段 △桐山清澄九段 第77期順位戦 C級2組 1回戦 より

                                

【問題図:▽6七金 まで】

いま後手が▽6七金と打ってきたところです。一手を争う終盤戦で手筋の一着がありました。先手の次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                

正解は▲5九飛です

【正解図:▲5九飛 まで】

飛車をタダ捨てして5七に利かす▲5九飛が正解です。働きの弱い飛車を捨てて一手を稼ぐ終盤の手筋です。終盤は駒の損得より速度の格言通りの一着で、飛車を取らせる代償に一手を稼ぎます。

問題図の局面は先手玉にまだ詰めろはかかっていません。ですが、問題図からすぐに▲6四歩と攻めると、以下▽4七桂成▲3五玉▽5七馬▲4四玉▽6四金と対応されます。(参考図1)

【参考図1:▽6四金 まで】

参考図1までの手順は、先手玉を4段目まで誘い込むことで2四の龍の横効きを止めるのが狙いです。こうすることで▽6四金と取られてしまいます。参考図1は後手玉に対して迫る手が全くなく、後手が勝勢となってしまいます。

そのため、正解図の▲5九飛で一手を稼ぐ必要がありました。正解図以下は▽同馬▲6四歩と進めます。(図1)

【図1:▲6四歩 まで】

今度は後手が▲6四歩を防ぐ手段がありません。▲5九飛が格言を実践した見事な終盤の手筋だったと思います。

 

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もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!

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【次の一手|プロの実戦】問題111-横歩取りの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲三浦弘行九段 △八代 弥六段 第26期 銀河戦 本戦Dブロック 10回戦 より

                              

【問題図:▽8四飛 まで】

いま後手が▽8四飛とまわったところです。これから本格的な戦いがはじまる前に、やっておきたい手順があります。三手一組の手順です。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              

正解は▲7四歩▽同飛▲7七歩です

【正解図:▲7七歩 まで】

問題図では後手が金銀四枚の堅陣であるのに対し、先手は金銀二枚で薄い囲いです。また後手の桂にも自玉の急所に跳ねられている状況でした。問題図から部分的には▲2五桂という攻めが成立しそうですが、双方の玉型差から攻めの反動がきつそうです。

ここは▲7四歩▽同飛▲7七歩と自陣の傷を無くすのが好手順です。▲7四歩が▽8四飛とまわった手を利用した手で、飛車取りになる仕組みです。このように戦いの前に自陣を整備しておくのは重要なポイントです。

 

正解図以下、後手が何もしなければ▲2五桂から攻めていく狙いがあるので、後手は▽7六歩▲同歩▽7七歩▲同桂▽同桂成▲同銀▽6五桂と、先行してきました。(図1)

【図1:▽6五桂 まで】

図1以下、先手は▲3四歩▽同飛▲4六桂▽3六飛▲3四歩と反撃に出ます。(図2)

【図2:▲3四歩 まで】

後手の攻めで交換になった桂を利用して反撃し、元々狙っていた攻めよりも厳しい攻めが成立しました。図2の局面は先手の攻めが急所に刺さっているのに対し、後手から先手に厳しい攻めの継続手が無いため、はっきり先手が優勢です。

自陣の傷を消して次に本格的に攻めを見せることで、逆に相手から先に攻めさせ、駒を入手して反撃を決めました。まるで武道を見ているかのよう攻防が印象に残った手順でした。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題110-矢倉の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲近藤誠也五段 △近藤正和六段 第77期順位戦C級1組1回戦  より

                          

【問題図:▽4三銀 まで】

先手の▲3五香に、いま後手が▽4三銀と引いたところです。単に金を取る手も魅力的ですが、後手玉にさらに厳しく迫る手順がありました。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          

正解は▲1一銀です

【正解図:▲1一銀 まで】

正解は▲1一銀と、銀を捨てて玉を端に呼ぶ手です。

正解図以下、▽同玉に▲3二香成▽同銀▲3一角が狙いの手順です。

【図1:▲3一角 まで】

図1の最終手▲3一角が猛烈に厳しい一手です。次に▲2二金の一手詰めと6四の飛車取りという、詰めろ飛車取りがかかりました。

後手は▽2二銀と打って受けるしかありませんが、以下▲6四角成と飛車を取った局面は、先手が不敗の態勢です。

【図2:▲6四角成 まで】

 

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【次の一手|プロの実戦】問題109-矢倉の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲阿部健治郎七段 △真田圭一八段 第77期順位戦C級1組1回戦 より

                              

【問題図:▲6六歩 まで】

後手の▽8八角に対し、いま先手が▲6六歩と受けたところです。ここで後手に狙いの一手がありました。後手の次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              

正解は▽7五桂です

【正解図:▽7五桂 まで】

▽7五桂が狙いの一手でした。正解図以下▲5七玉と逃げるのは▽4六銀以下、長手数の詰みがあります。一例の詰手順は、▽4六銀▲4八玉(▲6八玉は▽5七角からバラして並べ詰み)▽3七銀成▲同玉▽4六角▲2七玉▽3五桂▲3八玉▽3七銀▲4九玉▽3八金▲5九玉▽6七桂という手順です。(参考図1)

【参考図1:▽6七桂 まで】

参考図1以下、▲同金は▽4八銀成▲6九玉▽7九角右成までの詰みですし、▲6九玉と逃げるのも▽7九角右成までの詰みです。

 

正解図以下、実戦は▲同歩と取りましたが、▽9四角と王手龍取りをかけるのが狙いの一手です。(図1)

【図1:▽9四角 まで】

図1以下▲7八玉と角取りに当てながら逃げました。これは▽6一角なら▲8八玉と角を取ってもう1勝負するという狙いです。しかしここで▽5八角成と金を取るのが決め手です。(図2)

【図2:▽5八角成 まで】

図2の局面は▽8七銀▲同玉▽7六銀以下の詰めろですが、先手はこれを受ける適切な受けがありません。後手玉は詰まないため、図2は後手が勝勢の局面です。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題108-雁木の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲青野照市九段 △門倉啓太五段 第77期順位戦C級1組1回戦 より

                              

【問題図:▽1三金 まで】

先手の▲2四歩に対し、いま後手が▽1三金と逃げたところです。攻めを繋げたい先手はここからどう指しますか。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              

正解は▲1五歩です

【正解図:▲1五歩 まで】

先手は自玉が穴熊の堅陣に囲えているため、攻めさえ繋がれば勝ちが近づきます。問題図では5五の角取りになっていますが、構わずに▲1五歩と攻める手が正解です。

正解図以下、▽2五歩▲同飛▽5五銀▲1四歩と攻めます。(図1)

【図1:▲1四歩 まで】

角だけでなく、飛車も逃げず▲1四歩と攻めていきます。これぞ穴熊の暴力という手順です。

実戦は図1以下、▽6六銀▲1三歩成▽3二玉▲4四金▽2五桂▲2三歩成▽4一玉▲6六銀と進みました。(図2)

【図2:▲6六銀 まで】

先手は飛車と角を両方とも差し出しましたが、最終手▲6六銀と取った局面は次に▲3二銀以下の詰めろがかかっています。以下▽6二角と退路を開きますが、▲5三歩以下、先手の攻めが繋がる展開となりました。

穴熊という堅陣を生かした、見事な攻めの手順だったと思います。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題107-相掛かりの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲宮田敦史七段 △青嶋未来五段 第77期順位戦C級1組1回戦 より

                      

【問題図:▲6五角 まで】

いま先手が▲6五角と打ち、金と香の両取りをかけたところです。先手の技が決まったように見えますが、後手はここからうまい手順で切り返します。五手一組の好手順です。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

正解は▽5四飛▲9二角成▽8三歩▲6八玉▽9四飛です

【正解図:▽9四飛 まで】

▲6五角に対し、当然ながら後手は金を受けなければいけません。後手は▽5四飛と飛車を角筋に入れて受けます。先手は▲9二角成と香を取りますが、そこで▽8三歩と馬筋を遮断します。正解手順の最終手▽9四飛とまわった局面は、先手の馬が詰まされている形です。

正解図以下は、▲8二馬▽7一金▲同馬▽同玉と進みます。(図1)

【図1:▽7一同玉 まで】

図1の局面は後手が駒損ながら、先手には歩切れである点や、▲3六の銀の活用が見込めていないという不安材料があります。

一方で後手は遊び駒がなくバランスの良い布陣であるため、図1の局面は後手も十分に戦える局面だと思います。あえて両取りをかけさせて馬を召し取るという、印象に残った手順でした。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題106-四間飛車の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲大橋貴洸四段 △古森悠太四段 第31期竜王戦6組ランキング戦 より

                                          

【問題図:▽3一金 まで】

先手の▲3三歩に対し、いま後手が▽3一金と引いたところです。先手陣は鉄壁なので、攻めさえ繋がれば良い局面です。先手の次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                          

正解は▲6五桂打です

【正解図:▲6五桂打 まで】

次に後手に▽5三玉と逃げられてしまうと、一気に寄せるのが困難になります。正解はその▽5三玉を防ぐ▲6五桂打と打つ一手です。先手陣は鉄壁であるため、駒を捨てる手も躊躇なく指すことができる局面です。

正解図以下は▽同歩▲同桂と進みます。(図1)

【図1:▲6五同桂 まで】

図1の局面は次に▲6三銀▽6一玉▲7三桂不成までの詰めろで、わかっていても防ぐのが難しい攻めです。実戦でもここで受けがないと判断し、後手が投了しています。

例えば図1で▽6三歩と受けるのは、以下▲7三と▽5二玉▲5三銀▽4一玉▲6三角成が一例の攻めです。(参考図1)

【参考図1:▲6三角成 まで】

参考図1以下は▽5二桂と受けるくらいですが、▲同銀成▽同飛▲5三歩と攻めてもいいですし、▲4五馬と銀を取る手も▲2三馬からの詰めろとなっていて厳しい手です。よって、正解図から▽7三歩では受けになっていないことがわかります。

 

また、正解図からは▽5五飛というひねった受けもあります。飛車を移動させることで逃げ道を開く手ですが、これには▲5四歩が好手です。(参考図2)

【参考図2:▲5四歩 まで】

参考図2で▽5二歩と受けるのは、▲同角成▽同玉▲5三桂成以下の詰みがあります。

よって参考図2では▽同飛と取るよりありませんが、▲6三銀▽5一玉▲5四銀不成と飛車を取っておき先手が勝勢です。(参考図3)

【参考図3:▲5四銀 まで】

 

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もしよければ、以下の問題にもチャレンジしてみてください!

 

【次の一手|プロの実戦】問題105-中飛車の中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲木村一基九段 △菅井竜也王位 第77期順位戦 B級1組 1回戦 より

                              

【問題図:▽3一飛 まで】

先手の▲3四金と打った手に対し、いま後手が▽3一飛と飛車を引きました。ここで先手に優位を築く手順があります。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              

正解は▲4四金です

【正解図:▲4四金 まで】

問題図の局面は互いの飛車の間に先手の金が挟まっており、先手が動きづらい状況でした。ですが、その飛車をあっさり見捨てて角を取る▲4四金が正解になります。

正解図以下は▽3六飛▲5四金▽同銀に▲1八角が狙いの手順です。(図1)

【図1:1八角 まで】

図1の最終手▲1八角が狙いの一手で、▽3九飛成には▲5四角と銀を取ることができます。銀を取った角が攻めによく効いていますし、銀を取ったことで先手の遊んでいた8八の角が5五に出れるようになります。(参考図1)

【参考図1:▲5四角 まで】

そのため実戦は図1以下▽3九飛成とはせずに、▽3九飛打と飛車を繋いで受けてきました。以下▲3六角▽同飛成▲5二飛▽6三銀▲2二飛成と進みます。(図2)

【図2:▲2二飛成 まで】

先手は敵陣に飛車を打ち込み、攻めの体制を作ることに成功しました。途中▽6三銀と引かせた手は玉を固めさせて損したように見えますが、先述した▲5五角と出るために銀を引かせた巧妙な手順です。

図2の局面は先手が駒得ですし、課題だった8八角の活用も見込めているため、先手が若干指せる局面ではないかと思います。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題104-角換わりの終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲三浦弘行九段 △阿久津主税八段 第77期順位戦 A級1回戦  より

                          

【問題図:▽3四銀 まで】

先手の▲4四歩に対して、いま後手が▽3四銀とかわしたところです。先手玉はいまの瞬間安泰なので、一気に後手玉を攻略したいところです。次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          

正解は▲4三角です

【正解図:▲4三角 まで】

先手玉は後手に角を渡しても問題はないため、露骨に▲4三角と打ち込むのが最も厳しい攻めとなり、正解手です。

正解図から手抜いて▽8八銀は▲5四角成が攻防手となり先手勝勢です。そのため後手は▽同金と応じますが、以下▲同歩成▽同銀右▲4四歩としつこく攻めます。(図1)

【図1:▲4四歩 まで】

図1は▲4三歩成以下の詰めろです。そのため後手は▽5二銀と逃げますが、そこで▲5五桂と跳ねるのが気持ちの良い活用です。(図2)

【図2:▲5五桂 まで】

先手の攻め駒が全軍躍動の形になってきました。図2以下は▽3二金と壁型を解消しながら受けますが、以下▲4三歩成▽同銀引▲同桂左成▽同金に、三度▲4四歩と打ちます。(図3)

【図3:▲4四歩 まで】

図3は4筋の攻めが厳しく受けても一手一手の局面です。実戦も図3の最終手▲4四歩にて、後手の投了となりました。

すぐに先手の攻め駒と後手の守り駒を精算せずに、攻めの種駒を残しながら攻めた本手順は、非常に参考になる手順だったと思います。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題103-雁木の終盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲森内俊之九段 △糸谷哲郎八段 第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント より

                            

【問題図:▲6五同銀 まで】

後手の▽6五桂に対して、いま先手が▲6五同銀と取ったところです。後手は先手玉をどう寄せますか。次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            

正解は▽4七桂成です

【正解図:▽4七桂成 まで】

▽4七桂成が寄せの決め手です。これは直前の先手の着手▲6五同銀で、4七の地点の守りが薄くなったところをついての攻めです。先手はこれを▲同玉と取るしかありません。

正解図以下、▲同玉▽4九龍▲3六玉▽3四銀と進みます。(図1)

【図1:▽3四銀 まで】

図1の最終手▽3四銀が、先手玉を上部から押さえる好手です。ついつい▽3五銀から飛車を取りにいってしまいそうですが、それは先手玉を上部に逃がしてしまうため失敗します。

図1は次に▽3五金以下の詰みを狙っています。実戦は図1以下▲2六玉と早逃げしますが、そこで▽1四歩が玉の逃げ道を塞ぐ手筋です。(図2)

【図2:▽1四歩 まで】

先手玉はなんとか上部に逃げだしたいところ、後手は上手く上から押さえつけています。図2以下は▲3六桂と打ちましたが、▽3五金▲1六玉▽6五銀と質駒の銀を取ります。(図3)

【図3:▽6五銀 まで】

問題図でぶつかっていた銀を、最後に取る手が決め手です。図3の局面は次に▽1五銀と▽2五銀打の狙いがわかっていても防ぐことができず、受け無しです。

正解手の▽4七桂成以下、先手玉を上部から押さえつける見事な手順だったと思います。

 

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【次の一手|プロの実戦】問題102-横歩取りの中盤戦

プロ棋士の実戦棋譜から、これは凄い!と感じた一手や、覚えておくと棋力向上に繋がりそうな手筋などを、「次の一手」の問題形式で紹介します。問題を解いて棋力アップを目指してください。

今回は以下の棋戦からの紹介です。

▲丸山忠久九段 △橋本崇載八段 第26期 銀河戦 本戦Aブロック 10回戦 より

                                            

【問題図:▽8四飛 まで】

いま後手が▽8四飛と打ったところです。ここで先手にはリードを確実にする一手があります。先手の次の一手を考えてみてください。

 (正解は下にスクロールするとあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                            

正解は▲8八角です

【正解図:▲8八角 まで】

問題図の最終手▽8四飛は先手の▲8二歩成を防ぎつつ、次に▽8九飛成を狙った一手です。先手は後手の狙いである▽8九飛成を防ぐ手を考えなければいけない局面でした。正解はその▽8九飛成を防ぐ▲8八角です。打った瞬間は働きの弱く打ちにくい角ですが、ここに角を打つ手が正解になります。

先手は角を手放しましたが、9一の香車を取れる見込みがあります。後手が歩超しに打った8四の飛車を目標に、8筋に香車を打つのを狙いにすれば先手が十分戦える局面です。実戦も正解図以下、▽5五角▲7二歩▽同金▲9一飛成▽1九角成▲8七香と進み、狙いの香打ちが実現させます。(図1)

【図1:▲8七香 まで】

図1以下は▽8五香と受けるしかありませんが、以下▲同香▽同桂▲8六金と進みます。後手の桂を働きの弱い8五へ飛ばせながら、先手の▲8八角も自然と働いてくる形になりました。(図2)

【図2:▲8六金 まで】

図2の形勢判断ですが、駒の損得がないため駒の働きに注目してみます。

飛車の働きを比較すると、後手の▽8四の飛車が働いていないのに対し、先手の龍は攻めの軸として活躍しそうです。また後手の馬に対して先手の角の働きが課題でしたが、金を8六に移動させることによって自然と活用できる形になってきました。

図2から後手は馬を活用したいところですが、▽6四馬と金取りに当てながら引いた場合、▲9五金と上がられて飛車を詰まされてしまいます。

 

そのため、実戦ではあらかじめ▽8三歩として飛車に紐をつけておきました。これは▲9五金には▽7七桂成とする狙いです。(そこで▲8四金とされた場合、飛車に紐をつけておけば▽8八成桂▲同銀▽8四歩として金を取り返すことができます)

ただ後手の▽8三歩に対して▲3七桂が中盤の決め手です。(図3)

【図3:▲3七桂 まで】

飛車だけでなく後手の馬も働きを失いました。図3の局面は2枚の大駒の働きの差が大きく、先手が大優勢の局面です。正解手▲8八角からの、見事な中盤の組み立てだったと思います。 

 

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